新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、タクシー需要が減少し、料理等の宅配需要が増加していることを受け、タクシー事業者が弁当や料理などの配送を行える道路運送法の特例措置が4月21日から開始された。赤羽一嘉国交相は5月8日、この特例措置を9月30日まで延長する意向を発表しており、北海道でも「タクシー宅配」の動きが確実に広まってきている。
北海道は、道内企業を応援するウェブサイト「おうちで応援! かって北海道!」で、「デリバリーに関心のあるレストラン」と「デリバリータクシーの許可を取得したタクシー事業者」のリストを掲載、情報提供を行うとともに、双方のマッチングを促している。タクシー宅配の関心の高さを反映して、同リストには5月11日時点で道内各地の100を超えるタクシー事業者が掲載されている。
東邦交通(札幌市西区)やメディアリンク(東京都港区)などは、観光客の減少や外出自粛による影響で厳しい状況におかれている飲食店やタクシー事業者、また、「三食手づくり」の状況にある家庭を支援するため、タクシーが美味しい飲食店のテイクアウトメニューを家庭まで届ける救済事業として「札幌出前タクシー『食べタク』」を5月1日に本格スタート、ウェブサイトを公開し、札幌市内の多様なジャンルの飲食デリバリーを行っている。
留萌市は小鳩交通留萌営業所と連携し、飲食店が作る料理をタクシーが配達する「タクー留」を企画し運用、北海道社交飲食生活衛生同業組合釧路地区本部(釧路市)は「ごちそうタクシー便」、このほか、札幌エムケイ(札幌市白石区)は「MKのタク配」、トンボハイヤー(小樽市)は「出前タクシー」、函館タクシー(函館市)は「料理宅配タクシー」と、それぞれサービス名に工夫を凝らしてタクシーによる宅配事業を行っている。