鉄の物流を手掛ける丸吉ロジ(吉谷隆昭社長、北広島市)は、2018年から活用を始めた独自仕様の「アコーディオン式ホロシート」が付いたセミトレーラのシャシーの導入を加速させる。これまで22台のシャシーを導入してきたが、2025年にはさらに6台導入する計画で、28台体制になる。吉谷社長は「鉄の物流業界でダントツの保有台数」と説明する。
同社が扱う鋼材などの輸送では、荷物を雨濡れなどから守るためにシートを敷くことが一般的だが、シート掛けは人力で行うため、多大な時間と労力がかかる。「27㌧シャシーにドライバーがシート掛けをすると、60分程度の時間を必要とした。また、シート自体が50㌕ほどもあり、『重い・危険・難しい』作業となるため、シート掛けはほぼ男性の仕事だった」(同社長)。
アコーディオン式ホロシートでは、シャシーに付いたシートを引くだけでシート掛けが完了する。「シート掛けにかかる時間は5分程度。また、ホロシートが『軽い・安全・簡単』という特性を持つため、女性や高齢者でもシート掛けが出来る」とし、「ホロシートは作業効率が段違いに優れており、作業にかかる負担と時間が大きく減らせている。また、多様な人材の雇用にも繋がっている」と説明する。
同社では2018年に国交省モーダルシフト推進事業に認定され、アコーディオン式ホロシートが付いた27㌧シャシーを3台導入した。その後、環境省IoT物流低炭素化事業に認定され、2020年にさらに6台を導入、2023年には13台導入した。同社長は「アコーディオン式ホロシートは物流の効率化、ドライバーの労働時間削減、人材の採用・確保のいずれの観点においても決定的な武器となっている」と話す。
「『シート掛けが当たり前』『シート掛けは男性の仕事』というこれまでの常識を疑うことで、『シート掛け作業を無くす』という発想に至り、ホロシートを導入した。当社にとって『圧倒的な戦力』の位置付けになっている」としている。