札幌商工会議所の生産性向上委員会と北海道経済産業局は2月16日、「物流DXオンラインセミナー〜倉庫内におけるロボティクス・IoT・AI活用の最前線」を開催した。
日通総研シニアコンサルタントの井上文彦氏が「AI・IoT・ロボティクスを活用した先端物流現場システム」と題して、国内外の物流DXの動向を解説。自動倉庫や搬送・ピッキング・デバンニングにかかるロボットの具体的な導入事例などを説明し、「物流でも技術とデータを持つことの重要性が増している。自動化を進めると、これまで取れなかった圧倒的な量のデータが取得でき、これが新しいビジネスにつながる。2018年頃までは技術開発が盛んに進められ、2019年以降は運用の段階に変わっており、サプライチェーン全ての工程でデータが取れるようになっている。自動化は省人化のためではなく、大量のデータを取得・活用することで、精度の高い予測につなげ、物流を極小化していくことが重要」と指摘した。
また、物流は扱う製品の形や重さが標準化されておらず、製品の設計や、生産・販売の計画が自前でコントロールできない部分が多いため、自動化に向けて「認識と予測」の能力が重要になると強調した。
このほか、ブルーイノベーションの熊田貴之社長が「ブルーイノベーションが取り組むドローン物流の未来〜倉庫内外における新技術活用の最前線」、ウイングアーク1stの物流事業開発室の加藤由貢室長が「データの見える化から始める働き方改革」と題して講演し、それぞれ自社が進めるシステムの紹介を行った。