苫小牧市は4月21日、岩倉博文市長の会見において「令和5年度(2023 年度)国・道及び関係機関に対する重点要望事項」を公表。
最重点要望事項が7項目、重点要望事項が37項目の44項目を挙げており、同市としてより重要と考える最重点要望事項の1つとして、「北海道運輸局苫小牧運輸支局(仮称)の設置」を訴えている。
同市は、東胆振地域に位置し、室蘭運輸支局管轄区域の最大都市。道内の取扱貨物量の約半数を占める苫小牧港を有するほか、国際拠点空港の新千歳空港も同市にまたがって所在しており、「道内の物流ネットワークの拠点」となっている。
また、交通の要衝として多くの運送業者が集中することから、東胆振地域の登録自動車保有台数は室蘭運輸支局の約半数を占め、同市と隣接する日高地域も含めると66.8%に達し、その割合は年々増加している。
苫小牧市の事業者は、大型車両等の検査、車両の登録に関する手続き等を室蘭運輸支局で行っているが、遠隔地(約60㎞)のため、関連業務の利便性向上が求められている。また、令和2年5月からは、図柄入りを含む「苫小牧」ナンバープレートの交付が開始となり、すでに約2万件が交付され、市民・企業による申請等の手続きも増加しているほか、苫小牧港は道内の取扱貨物量の約半数を占め、国際拠点港湾として重要な役割を担っていることからも、海運・陸運業務を一体化した組織体制が強く求められているとし、陸運業務と海運業務を一体的に所管する「苫小牧運輸支局(仮称)」の設置を強く要望している。
これにより、新たな支局が陸運・海運業務を一体的に所管し、体制が強化されることで、物流ネットワークの拠点化がさらに進むほか、市内のみならず、東胆振地域や日高地域の事業者の利便性向上と業務の効率化につながる効果を見込んでいる。また、近隣の千歳市や恵庭市からも利用が見込まれるため、札幌運輸支局の混雑緩和など広域で効果が期待できるとしている。
さらに、交付手続きの利便性が向上し、図柄入りナンバーや「苫小牧」ナンバーが普及することで、同市の全国的な知名度の高まりも期待できるとしている。