北海道運輸交通審議会(座長・吉見宏北海道大学副学長)の今年度最初の会合が5月31日、ホテルモントレエーデルホフ札幌で開催された。
同審議会は、北海道の運輸交通施策の総合的な促進を図るために設置された知事の付属機関で、今回は「北海道交通政策総合指針重点戦略」の取り組み状況の報告に合わせ、委員による意見交換が行われた。
北海道船主協会連合会の糟谷祐一会長(商船三井フェリー)は「商品価格の値上げが相次ぐが、これが物流費に反映されていない。燃料高騰が続く中、中小事業者が多い物流業界では今後、合併や倒産が考えられる。大手荷主は運賃値上げ交渉について考えてほしい。また、燃料としてのLNGの供給は、タンクローリーでしか行えないのが現状なので、LNGの供給体制についても検討が必要」と訴えた。
北ト協の野村佳史理事(丸日日諸産業)は、「ドライバー不足、燃料高騰、2024年問題などにより、このままでは物流が止まる恐れがある。ドライバーや運行管理者、整備管理者の育成のための様々な支援が求められる。また、労働環境の改善や省力化、適正運賃の収受、季節波動の平準化などは、我々の努力だけでは難しく、荷主の協力が必要。燃料に対する補助金もお願いしたい。国や道の思い切った施策を期待する」と述べた。
参与として出席したJR貨物の小暮一寿執行役員北海道支社長は「鉄道貨物輸送は、カーボンニュートラルや労働生産性の向上に寄与できる。北海道は自然災害のリスクを抱えており、トラックや船会社と連携を取りながら、北海道の物流を支えていきたい」と述べた。