「食フェスタin札幌」 北海道における「食が届く」プラットホーム形成目指す

北海道国際交流センターと「食フェスタin札幌」実行委員会は3月5日、北海道立道民活動センターかでる2・7で「食フェスタin札幌」を開催した。全国食支援活動協力会との共催、北海道と札幌市が後援した。

北海道において、こども食堂などに「食を十分に届ける」プラットフォームの形成に向けた機運醸成・ネットワーク構築を図るイベントで、食品メーカー、物流企業、こども食堂・フードバンクなど食支援活動を行う団体、行政機関などから100人あまりが参加した。

全国食支援活動協力会の平野覚治専務は、地域のフードバンクやこども食堂などが企業の寄付食品にアクセスできる「ミールズ・オン・ホイールズ ロジシステム(MOWLS)」の概要と課題を説明。
「『在るモノ(寄贈された食品)』を『必要とする所』に効率的に届ける仕組み。北海道では特に物流を差配するコーディネーターと区域を超えた倉庫が不足している。物流コストがかけられない中、持続可能な仕組みにしていきたい」とし、物流への協力を求めた。

東日本エリアでMOWLSの取り組みに参画している首都圏物流(東京都板橋区)の駒形友章社長は、こども食堂などへの物流業務を無償で行なっていることを説明。
「ある時、子どもの貧困問題を救うために、高齢者が軽自動車で重い食料を何往復も運ぶ姿を目にした。物流のプロなら簡単に行える業務であり、『知ってしまった』のと『やれる状況』があるからには、『やらなければいけない』と使命感に駆られた」ときっかけを語った。
また、「物流企業にとって、地域課題の解決が健全な経営につながり、自社の従業員のためにもなると考えた。収益は出ないが、支援先から大きな感謝が得られ、従事するドライバーも『社会的に意義がある仕事』と認識する機会になっている。従業員に『感謝される場を提供』していくのが経営者の大きな役割。感謝の気持ちは連鎖していくので、これからも続けていきたい」と述べた。

このほか、俳優のサヘル・ローズ氏が「子どもの貧困から考える今自分たちにできること」と題して基調講演を行い、「十分に食べられない人がいる一方で、食材が大量にあまり廃棄されている。この紐付けを上手くできれば、世界共通語の『MOTTAINAI』に関する課題解消につながる。SDGsを掲げる企業が多いが、こういった問題により深く取り組んでほしい。気付いたら、アクションを一歩起こしてほしい」と訴えた。

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