『北海道を支える物流』を元気にする会 「北海道物流実態調査報告書」まとめる

学識経験者や物流事業者ら有志による『北海道を支える物流』を元気にする会(代表=相浦宣徳北海商科大学教授)は9月2日、「北海道物流実態調査報告書」を発表した。
約50ページにわたる大部の報告書となっており、荷主や行政、運送事業者や業界団体など北海道の物流にかかわる各主体に向けて「期待する」ことも示している。

同会が昨年11〜12月に道内約1150のトラック運送事業所を対象に行った大規模なアンケート調査の結果をまとめたもの。
①輸送機能の生産性向上②積込・取卸し拠点での取り組み③料金設定と負担の適正化④労働環境の改善・人材確保⑤災害に対する備えーについて調査し、「これまで経験則に基づき断片的に語られてきた多くの事柄について、データに基づき体系的に整理することができた」としている。
同報告書では、「(運送と作業の)区分が明確化され、ドライバーの業務範囲が明確になっている」「運賃・料金の設定・提示・収受ができている」といった運送事業者は「ごく少数」であることなどを示し、調査で得られた知見として「全般的に、荷主との調整についての困難さが随所に垣間見られる」としている。
現状の打開に向け、各主体に期待する点として、「荷主」に対しては、「出荷・納品時刻や時間の調整、積込み・取卸し拠点での取り組みなどにより、物流の生産性が大きく改善し、労働環境も大きく改善される」とし、「当事者としての対応」「早期からのトラック運送事業者との連携・協働」を呼びかけている。
「行政」に対しては、「荷主・元請・下請の認識のズレの是正、主体間の調整」について「当事者(民間)レベルのみでは難しい」面があるとしている。
「トラック運送事業者・業界」に対しては、「行政・荷主との連携・要請などのあらゆる働きかけの根拠となる『メリット・デメリットに関する十分な検証』を自らが主導し行うこと、明確な論拠に基づき主張すること」が必要だとしている。
また、「一般の皆様にむけて」として、「『モノが届くことの尊さ』を感じてください。皆さんが手にしているモノは多くの方々の努力と工夫によって運ばれています」「物流は大事な『モノ』を運ぶ、私たちの生活を支える重要なインフラです。人任せにするのではなく、私たちも考え、将来に残す努力をしなくてはなりません」と訴えている。

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