HOSPOのロケット射場で自動配送ロボットの実証実験  Hakobase試作機で

大樹町(酒森正人町長)とSPACE COTAN(小田切義憲社長、広尾郡)は3月28日、北海道スペースポート(HOSPO)のロケット射場LC-0で、ロボットメーカーHakobot(大山純社長、宮崎市)の自動配送ロボットの実証実験を行ったと発表した。
 
Hakobotは、人口減少に伴う宅配クライシス・ラストワンマイル問題の解決を目指すための自動配送ロボット開発を行うロボットメーカー。「なんでも載せられる、しっかり運ぶ」をコンセプトに、走破性が高くシンプルな操作性を実現する配送ロボット開発を進めている。


今回の実証実験は、自動配送ロボットの走行ユニット部分「Hakobase(ハコベース)」の試作機を用いて、雪道や凍結した地面での走行性能テスト、ものづくり現場等の実際の作業環境での走行テストを目的として行った。また、実験ではLC-0を使用するロケット開発企業インターステラテクノロジズの協力を得ながら、実際のロケット打上げ時のオペレーションを想定した工具等の配送テストを行った。

結果、積雪3㎝程度であれば、十分走行可能であることが実証された。
また、今後の商品改善のためのデータや知見が得られたこと、ロケット打ち上げ時でのロボットの使用ニーズや悪路での走行性能をいかした除雪ニーズ等の調査としても良い結果が得られた。
HOSPOで物流に関する実証実験が行われたのは今回が初めてで、Hakobotは2022年夏頃にも実証実験を計画している。

自動配送ロボットの走行ユニット部分「Hakobase(ハコベース)」の試作機は、重量60kg、幅660mm、長さ916mm、高さ760mm、リモコンでの操作によって電力で稼働。自動走行は実装しているが、今回は走破性の実験のためリモコンでの操作で行った。

今回の実証実験では、①悪路(雪道や凍結した地面等)での走行性能テストと②ものづくり現場等の実際の作業環境での走行テストを行った。

①悪路での走行性能テストは、ノーマルタイヤで実証実験を行い、積雪量約3㎝程度はノーマルタイヤでも十分走行可能であること、4輪駆動の走行性能を確認することができましたとしている。
それ以上の積雪量での走行を見据えて、車高を上げること、オフロード仕様のタイヤやチェーンの装着、後付できるクローラーの装着等を検討し、来年度の冬期にて改めて実証実験を行う計画。また、荷室部の振動などのテストも進めて行く予定。

②ものづくり現場等の実際の作業環境での走行テストでは、インターステラテクノロジズの協力を得ながら、実際のロケット打上げ時のオペレーションを想定した工具等の配送テストを実施。
ロケット打上げ時は、重い工具や重機等を運ぶ作業があるが、フォークリフトを使用するには資格が必要であることや作業練度が求められる。これらの作業を自動化することで誰でも作業ができるようになり、標準化や作業効率の向上、労働災害のリスク減少が期待できる。また、ロケット打上げ時の他にも、HOSPOでの航空宇宙実験等の作業時の使用も期待できるとしている。

HOSPOは、ビジョンでもある「宇宙版シリコンバレー」の実現に向けて、航空宇宙分野に限らず、スマートシティや脱炭素化等の未来技術の実証実験を積極的に受け入れていくとしている。

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