医療用医薬品の不動在庫マッチングサービス「ばくりっこ」サービススタート

調剤薬局運営事業を展開しているミライシアホールディング(神山武士社長、札幌市中央区)は2月10日、凸版印刷(麿秀晴社長、東京都文京区)と共同開発した、薬局間で医療用医薬品の不動在庫をマッチングするサービス「ばくりっこ」の提供を開始したと発表。「ばくりっこ」とは、「交換する」という意味の北海道の方言でもある。

「ばくりっこ」は、薬局が登録した不動在庫や使用量情報を独自のマッチングアルゴリズムにより、交換または購入する医薬品を自動選定し、薬局間での医薬品交換・売買を可能にする。この利用により、不動在庫の効率的なマッチング機会の創出を支援し、調剤薬局が抱える廃棄医薬品の削減を実現させる。

全国の薬局で使用期限切れのため廃棄されている医療用医薬品は年間100億円と推定され、これは薬局経営を圧迫する大きな問題となっている。医薬品の不動在庫を「交換する」ことを目的とした「ばくりっこ」は、廃棄医薬品をなくしたいという調剤薬局の思いをカタチにするために開発。

薬局で不動在庫になっている医療用医薬品を出品・購入・交換することができる。自店で保有している不動在庫を登録して「ばくりっこ」へ出品することができるほか、希望する医薬品をメーカー名や使用期限、割引率、開封状態、地域など詳細な条件から検索して購入することも可能。「長期間売れていない」「使用期限内の使用が困難」など、廃棄になる可能性がある医薬品を低価格で出品でき、必要としている他薬局が購入することで医薬品廃棄の削減につながる。割引価格で出品されているため、通常よりも安く仕入れることができる。

また、出品されている医薬品を購入する際、支払いを「等価交換」にすることで、自店が出品している医薬品と交換することができる。登録した不動在庫と使用量を自動マッチングして交換対象を簡単に選定することが可能となる。注文金額に応じた自店が出品中の医薬品と交換することができ、現金での支払いが不要となる。

不動在庫と使用量は、連携対応しているレセプトコンピュータから自動で登録することが可能。登録操作が不要になり、最新情報を定期的更新することでマッチング率の向上につながるとしている。

今後について「『ばくりっこ』をより多くの薬局で利用いただくことで、不動在庫の削減を通じて薬局業界に貢献していく。全国の薬局に向けて優位性を認知してもらい、利用を促進していく。当面の目標として、2500店舗への導入を目指す」としている。

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