「『道の駅』を拠点とした中継輸送実証実験」結果 労働時間4割以上削減の効果

北海道開発局と旭川開発建設部は4月25日、令和4年度に実施した「『道の駅』を拠点とした中継輸送実証実験」の結果を公表した。
道北エリアと道央エリアの輸送において、「道の駅」を中継拠点とすることで、ドライバーの総労働時間が4割以上の削減となったほか、輸送費用・環境負荷も大きく低減したことを確認した。

来年4月より、トラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用され、広域分散型の地域構造である北海道では、物流の確保に向けた取り組みが必要となるため、同4年11月~12月に道の駅「もち米の里☆なよろ」において、運送会社8社が参加し、様々な中継方式/輸送経路で中継輸送の実証実験を行った。

今回は、中継輸送と共同輸送を組み合わせて、「空荷の削減」とともに「積載率の向上」を図る輸送パターンを初めて試行した。また、トラックドライバー同士が到着時間や車種等の情報を登録・確認する「アプリ」を新たに導入した。
中継方式は同3年度の実証実験でも行ったトレーラーの「ヘッド交換」に加え、今回は「ドライバー交換」「荷物の積み替え」を追加し、3パターンで実施した。輸送経路は「枝幸〜石狩」「旭川〜稚内」「稚内〜札幌」「枝幸〜札幌」など複数のパターンを採用した。

実験の結果、いずれの輸送パターンでも、トラックドライバーの総労働時間が40~44%削減したほか、輸送費用(人件費・燃料費・高速代)が34~45%削減、環境負荷(CO2排出量)が45~50%削減したことを確認した。
中継輸送と共同輸送の組み合わせでは、これまでトラック5台で運んでいたのが、3台に削減できた。また、運送事業者から、中継輸送する荷物のマッチングを行う「予約システム」や「将来的な中継輸送の実施」のニーズを確認した。

今後の取組方針について、同局では「名寄における実証結果を全道に展開することで、生産空間を支える物流のサービス水準を確保する効果が期待できることから、今後、官民が連携して検討していく」としている。

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