大勝 野球用品専門店・女子野球ブランド立ち上げ

大勝(生川勝則社長、千歳市)は5月27日、野球用品専門店「年中野球道央店」をオープンした。これと同時に女子用硬式グローブなどを中心とするブランド「クリスタルシャイン」を立ち上げた。
実店舗と併せ、ネット販売の在庫・出荷拠点も兼ねる。野球人口の拡大、野球のイメージ向上に寄与したい考えだ。

同店では、量販店などでは流通していない「希少なブランド」に特化して販売する。大手メーカーとは一線を画した一味違った用品を使いたい選手や愛好家のコアなニーズに対応する。
澤田良二専務は「5年以内に全道一、いずれ日本一の野球専門店にしたい。また、この店舗とブランドを起点として、野球のイメージ、カルチャーを変えていきたい」と意気込みを語る。

同社が千歳市内に保有するグラウンドと室内練習場に併設してオープン。廃車にする大型車の荷台を2つ繋げて店舗に改装した。甲子園出場経験があり、社会人野球や少年野球指導者として活躍した澤田専務のネットワークを活かし、短期間で販売店とブランドの立ち上げを実現させた。生川社長、澤田専務がともに長年付き合いがあった音更町にある専門店「年中野球」を展開するHS-WORLD(佐藤肇社長、河東郡)の協力を仰ぎ、商流を整えた。

澤田専務は「野球人口の減少に伴って、道内では大規模量販店でも野球用品の在庫を置かないようになっている。うちで取り扱う商品は『ここでしか触れない』ものにこだわった。レアでマニアックな商品をこれだけ揃えているのは道内では他にないと思う。グラウンドや室内練習場が併設しているので、サンプル品で使い勝手を試すこともできる」と話す。

「クリスタルシャイン」は、道内の女子硬式野球の指導者より、「専用の用具がないため、選手は少年用や軟式用のグローブを使っている」との悩みを聞いたことから、自社で企画・製造・販売まで携わることを決めた。本州のメーカーや工場と直接交渉し、独自ブランドの立ち上げにつなげた。デザインやサイズだけではなく、実際に女性の手形をとり、握力の弱い女性でも扱いやすいよう機能面でも試行錯誤を重ねた。ロゴも「北海道をイメージさせるクマと女性をイメージさせるウサギをミックスさせたキャラクター」を澤田専務がデザイン。シャツやキャップも展開している。

年中野球を運営する佐藤社長は「グローブメーカーは300以上あるが、これだけ本格的な女子専用のグローブは日本で初めてではないか」と話す。

澤田専務は「格好良く気軽にできる野球文化を醸成したい。チームに所属しなくても、ちょっとしたスペースがあれば、本来は2人でも取る・打つに分かれて野球は楽しめるもの。日常の社会に溶け込んだ野球、造語だが『ストリートベースボール』というライフスタイルを普及させ、野球人口の増加につなげたい」と話す。

生川社長は「開店準備で非常に忙しかったため、売上目標など数字に関してはまだ考えていない。品揃えには自信があり、今後はメジャーリーガーが使用し日本では流通していないグローブなど、扱う商品の拡充を図っていく。クリスタルシャインは日本中に広めたい。全国の女子野球選手に使ってもらいたい」と期待を込めた。

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