「2024年問題対策セミナー」札ト協

札ト協は6月9日、札幌ガーデンパレスで「2024年問題対策セミナー」を開催、100人あまりが参加した。東京海上日動火災保険海上業務部貨物営業開発グループの竹田博己担当次長が「運送業界の課題と働き方改革〜改善基準告示改正と2024年問題対応」と題して講演を行った。

竹田氏はトラックドライバーの時間外労働の上限規制について「年間960時間の時間外労働は逃げ道がなく、しっかり守っていかねばならない。また、将来は他産業と同様の年間720時間の時間外労働に向かうと明記されており、これを目指さなければトラック業界に若い人材は入って来ず、人材不足が今後も続くことになる。関連法令の内容をしっかり把握し、今年度中に法令に合致した就業規則、賃金規定、36協定の改定を完了してほしい。これらは今年度末までに改正しなければならず、残りは10カ月もなく、それほど時間は残っていない。まだ半分くらいの事業者はこれらの改正を済ませていない感じを受けるので、早急に着手し、対応を済ませてほしい」と説明した。

また、「物流の2024年問題が広く報じられることに伴い、近年はほとんどの荷主が運賃交渉に応じる姿勢を見せており、荷主と交渉をするチャンスが到来している。この際に重要なのは、現場の見える化。荷役時間や荷待ち時間を把握し、荷主にデータで示し、深くコミュニケーションを図ってほしい。長時間労働の実態を把握することでその原因を検討し、荷主企業と協力して、業務内容の改善に取り組んでもらいたい」と訴えた。

このほか、「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」や「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」の活用を促した。

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