北海道文教大学附属高等学校(佐々木淑子校長、恵庭市)は3月18日、食物科2年生の生徒19人に対し、「物流業界における2024年問題についての特別講座」を初めて開いた。
物流業界における 2024 年問題を知るとともに、飲食業界における在庫管理のリスクや、リードタイムを考慮した物流への理解を深めてもらうことが目的。北海道物流開発(札幌市西区)の斉藤博之会長が物流についての講演を行なったほか、輸送について考えるワークショップを実施した。
斉藤氏は、物流やフィジカルインターネットなどの概念や、自社で展開しているアイスクリームの共同配送における温度管理・時間管理の実情を説明。「物流は情報処理業の側面が強くで、扱った荷物のデータによって、商品回転率を知ることができ、需要予測も行える。消費が減っている地域に『いかに効率よくモノを運ばないといけないか』と考えることにもつながる。北海道は25年ほど前が人口のピークで約570万人だったが、あと2年ほどで500万人を切る。北海道のトラックの積載率は30%台なので、これを高めれば、効率的に荷物を運べるチャンスはある」と述べた。
また、ミルクラン方式による高積載輸送と、大型店舗をT C化して中継拠点とすることを組み合わせた「地域共同配送」の構想を披露、生徒に向かって「食やサービスに関わるなら、自分の後方にも目が届くよう気配りができる人材になってほしい」と呼びかけた。
輸送について考えるワークショップでは、生徒が商品生産者の立場になり、4グループに分かれて、輸送にかかる時間やコストについて調べた。それぞれ道内複数の生産地から原材料を仕入れ、リードタイムやコストを考慮しながら、どのように商品を出荷するか、タブレット端末を活用してシミュレーションを行なった。「商品は作るだけではなく、『届ける』ことによって、初めて消費ができる」と伝えた。