イオン北海道(青柳英樹社長、札幌市白石区)とマックスバリュ北海道(出戸信成社長、同中央区)は10月10日、両社の経営統合に関する基本合意書を締結したと発表。
イオン北海道を存続会社、マックスバリュ北海道を消滅会社とする吸収合併により統合し、2020年3月に合併する予定。
これにより、売上高3000億円超のスーパーマーケット(SM)が誕生する見通しで、これは道内トップクラスの規模となる。
合併に関する契約締結日は2019 年4月上旬、定時株主総会における本合併契約承認決議は同5月中下旬、合併の効力発生日は2020 年3月1日をそれぞれ予定。
合併比率については、今後実施するデュー・ディリジェンスの結果及び第三者算定機関による合併比率算定の結果を踏まえて、最終契約締結までに両社で協議の上決定する。
また、経営統合後の吸収合併存続会社の商号や本店所在地、代表者及び役員の構成、組織等についても、今後両社で協議の上決定する。
イオングループでは、SM事業において、ドラッグストアやコンビニエンスストア、Eコマースなど競争のボーダレス化による競合環境の激化、人口動態や顧客の生活スタイルの変化、健康志向、低価格志向、即食需要の増加など嗜好の変化等に対応するために、地域ごとに一定以上の規模を有する企業体となり、地域商品の開発、物流、デジタル化への投資を強化し、顧客への便利さを提供し続け、最も地域に貢献する企業に成長する必要があるとしている。
両社は経営統合により、経営資源やノウハウの共有化を推進し、当事者のシナジーの極大化を実現することで、今まで以上に北海道に貢献できる企業に進化することを目指す。
具体的には、「スケールメリットを活かした商品調達、産地集約、商品開発」「店舗オペレーションの改善、物流コストの低減、デジタル化の推進、共通部門の合理化などのシナジーの創出」といった取り組みを進める。
経営統合による新会社の企業価値向上はもとより、グループ全体の企業価値向上に資するべく、北海道における事業戦略について本格的に協議を行っていくとしている。
イオン北海道は、2018年2月期の売上高は1866億9600万円、営業利益は85億9600万円、経常利益は85億9700万円、純利益は64億8300万円の実績。
2019年2月期の売上高は1902億円、営業利益は87億円、経常利益は85億円、純利益は48億円をそれぞれ予想している。
マックスバリュ北海道は、2018年2月期の営業収益は1259億5100万円、営業利益は12億2300万円、経常利益は12億2200万円、純利益は4億9200万円の実績。
2019年2月期の売上高は1328億円、営業利益は13億円、経常利益は13億円、純利益は5億円をそれぞれ予想している。
また、親会社のイオン(岡田元也社長、千葉市美浜区)は同日、各地域におけるSM事業の経営統合に関する基本合意書を締結したと発表。
各エリアにおいて、ブランド、インフラを共有する親和性の高い事業会社間の統合による成長機会の拡大とともに、互いに学び合うことで新たな枠組み・規律への変革を可能とする体制を構築していくとしている。
従来のGMS(総合スーパー)などの大型店をベースとした物流センターやプロセスセンターの、地域SMごとに最適な形への変革、バリューチェーンの構築、地域における地元商品の発掘・振興、独自のPB商品の開発、テクノロジーを活用した店舗のレジレス、ネットスーパー対応などデジタル化のための投資を強化してSM改革を実現することが必須であるとし、このような継続的な成長投資が可能なレベルとして、地域ごとに5000億円の売り上げ規模を有する企業体となる必要があると示した。
今後は基本合意書の基本方針に沿って具体的な協議を進めていくが、以下の4点を重要施策の主眼として推進していくとした。
①[物流改革]ロボティクスやAIテクノロジーの活用によるプロセスセンターや物流センターの省人化、生産性・品質の向上、地域単位の「食」の物流網の統合・再構築
②[地域密着深耕]よりフレッシュで美味しい商品の安定供給、地域商品の発掘・振興、地元PB商品の開発、スピーディーな物件開発、取引先・コミュニティとの地域振興の強化
③[新業態開発]小商圏対応フォーマットや、レジレスやネットスーパーなどデジタル化した新たなSMモデルの確立
④[重複コスト削減]本部・事業部、機能会社の集約、コスト構造改革によるシナジーの最大化