古河電気工業 鹿追町でグリーンLPガス実証プラント起工式を開催

古河電気工業(森平英也社長、東京都千代田区)は8月8日、鹿追町でグリーンLPガス合成プロセスの実証を目的としたプラントの起工式を開催したと発表。NEDOグリーンイノベーション基金事業での取り組みの一環で、起工式には鹿追町の喜井知己町長ならびに関係者が列席し、建設工事の安全を祈願した。

同社は2022年にNEDOのグリーンイノベーション基金「CO2等を用いた燃料製造技術開発事業プロジェクト化石燃料によらないグリーンなLPガス合成技術の開発」に採択され、2030年にグリーンLPガスを年間1000t製造することを目指して技術開発を進めている。鹿追町とは2022年に包括連携協定を締結し、実証プラントの立上げに向けた検討を進めてきた。

この取り組みの一環として、グリーンLPガス技術の実証を目的としたプラントを世界的にもいち早く鹿追町環境保全センター内に建設する。同プラントでは、2026年度から同センターで製造されたバイオガスを原料にグリーンLPガスを製造してプロセス実証する計画で、同年度内のグリーンLPガス製造量は100~200tを予定。

金属触媒の固定技術を応用し、バイオガスをLPガスに変換する技術を用いて、家畜のふん尿から得られる二酸化炭素とメタンから貯蔵・輸送しやすいLPガスを創出する。既存の流通網を活用できるため、一般家庭や酪農場、自動車などの産業の現場でエネルギーとして用いることができるほか、災害時用のエネルギーとしての利用も可能になる。

同社では、今後も地域資源を最大限利活用した脱炭素社会・循環型社会の実現を目指し、グリーンLPガス製造の実用化に向け、本基金事業に取り組んでいくとしている。

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