国交省と北海道は8月9日、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前で北海道新幹線札幌延伸に伴う鉄道物流のあり方に関する有識者検討会議(座長・二村真理子東京女子大学現代教養学部教授)の第3回会合を開催した。
北海道新幹線の札幌延伸に伴いJR北海道から経営分離される並行在来線「函館線函館︱長万部間(約148㎞)」に関する諸課題の解決方策について検討を進めるため、今回は農産品や食料工業品を扱う荷主などからヒアリングを行った。
ヒアリングは、ホクレン農業協同組合連合会の湊興令物流部長、岡田拓也物流三課長、日本甜菜製糖の山本志朗食品販売部業務課次長、雪印メグミルクの新見倫昭広域ロジスティクスセンター長、F―LINEの棚村隆蔵東日本マルチモーダルサービスセンタ―長、和田信幸常温第二営業部兼東日本マルチモーダルサービスセンターマネージャーが応じ、それぞれ貨物鉄道利用の現状や課題などを説明した。このほか、予定より進捗が遅れている北海道新幹線の工事状況について報告が行われた。
同検討会議では今後も関係者からのヒアリング2〜3回を続ける予定で、今年度中に現在の貨物鉄道機能を維持することとした場合の利点や課題等を整理し、「中間とりまとめ」を行う。 その後、線路の保有主体や年間数十億円にものぼる多額の費用負担のあり方を含めた個別の課題の解決方策について具体的に精査・検討を進め、2025年度末を目途に最終的な結論を得る予定。焦点となる費用負担の問題についての議論は、今回も着手しなかった。