釧路商工会議所運輸交通部会は6月19日、釧路センチュリーキャッスルホテルで「物流の2024年問題におけるJR貨物北海道支社の取組み~道内の産業、道民の暮らしを支える貨物鉄道輸送を目指して」と題した講演会をオンライン併用で開催した。釧根地区ト協、釧路食料基地構想協議会、釧路貿易振興会が後援した。
JR貨物北海道支社の中村隆営業部長が講演し、釧路貨物駅の今後活用方法などを提案。中村部長は「本州から北海道への到着は191万㌧で78%が札幌貨物ターミナル駅への食料工業品・宅配便・雑誌等の貨物。本州への発送は186万㌧で、このうち68%が札幌貨物ターミナル駅以外の駅から発送され、一次産業関連品が主体である」と説明。
ドライバー不足や2024年問題で道内輸送の輸送力確保が危ぶまれる中、JR貨物の「下り空回送区間」の輸送力を活用し、「札幌発道内各都市向け」の生活用品を鉄道コンテナ輸送にシフトするよう取り組んでいると紹介した。
また、釧路貨物駅は釧路港と近接しているものの、「現時点で連携はほとんどない」とし、釧路港から道内各地へのトラックによる長距離輸送を、鉄道輸送に転換することで、トラックの空車回送の削減、輸送手段の安定確保などに寄与できると提案。「モーダルコンビネーションの推進により、誰もが気軽に利用できるシームレスで持続可能な輸送体系の構築を目指す」と述べた。