北海道経済産業局 「北海道の地方における卸売・小売事業者の物流実態の把握に係る調査」報告書を公表

北海道経済産業局は7月4日、北海道内の卸売事業者・小売事業者・関係機関等を対象とした物流実態調査の結果を取りまとめた報告書を公表した。

報告書は「令和5年度地域経済産業活性化対策調査事業(北海道の地方における卸売・小売事業者の物流実態の把握に係る調査事業)」と題したもので、持続可能な物流の実現に向け、共同輸配送など道内地方部における企業間の協力・連携を促す内容。特に2024年問題の影響が大きいと考えられる地域に焦点を当て、物流の主要拠点や店舗等の立地状況、輸送状況、物流オペレーション等の具体的な把握を通して地方の物流実態を可視化した。

道内の物流実態では、「室蘭圏」以外は圏域内物流の割合が90%前後であり、大部分がトラック輸配送だった。「札幌圏」を起点として考えると、「室蘭圏」では入荷超過、「旭川圏」では出入が同規模となる一方で、「函館」「帯広」「釧路」「北見」の4圏域では出荷量に対して入荷量が半分程度であり、これが「片荷の温床」になっていると指摘。

道内卸小売の実態では、「札幌圏」への一極集中が顕著で、事業所数で全道の58・1%、従業者数で64・3%、商品品販売額で71%を占めていた。

道内卸の物流実態として、道外メーカー等から道内卸の物流拠点への輸配送は、「道内の各地方物流拠点で荷受け」と「札幌圏での一括荷受け」の大きく2パターンがあり、前者ではメーカー等が輸配送を担うため、卸にとっては課題ではないが、「札幌圏での一括荷受け」では、地方から札幌向けの復荷確保(札幌圏から地方への片荷)が課題とされた。

各地方物流拠点から顧客への輸配送は、「小売量販店等向け」と「その他顧客向け」の大きく2パターンあり、前者では多くが一括・大量輸送となっているため大きな課題はなかったが、「その他顧客向け」 では、複数の卸が同じ地域で少量配送を行っているケースが見られ、また、同一の運送事業者に外注することで、結果的に共同輸配送が実現している場合も多かった。

同調査によって、「道内卸による札幌圏から地方への片荷」や「複数の卸が同じ地域で少量配送」を行っている実態の把握とともに、「同一運送事業者への外注」によって共同輸配送が実現していることを認識。

道内卸における持続的な物流の実現に向けては、「札幌圏向けの復荷の確保」や「配送エリア内における共同輸配送の推進」などが不可欠とし、「地方から札幌圏への復荷の確保」、なかでも異業種同士である「農水産品」と「軽工業品」を扱う事業者の連携が理想的との方向性を示した。「持続的な物流を実現するためには、逆向きの流動を持つ異業種との連携が重要」と強調した。

あわせて、地方部では遠隔地など非効率な輸配送が存在しているため、「同じ配送エリア内における卸同士での共同輸配送の実現」により、効率的な物流につながる可能性があると示し、「卸間での連携促進が重要」だと示した。

また、地方での配送に強みを有する運送事業者に対し、複数の卸が外注することによって、効率的な物流につながる可能性があるとし、「定温管理が可能な集荷・保管・荷捌きスペースなどを保有」し、「複数の温度帯管理を可能とする4㌧トラックなどを保有」している事業者がこの受け皿となっているとの傾向を示した。

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