ZEROCO 千歳市で大型鮮度保持技術の実証実験開始

ZEROCO(楠本修二郎社長、東京都渋谷区)は8月29日、千歳市において食材・食品の鮮度を長期間・高品質に保持する独自技術「ZERROCO(ゼロコ)」を用いた初の大型設備(約50坪)を同28日に設置し、実証実験を行うと発表した。

ZEROCOは、低温・高湿の保管環境を安定的に達成することにより、食材や食品の鮮度を長期間、高品質に保持し、また予備冷却として活用することにより冷凍食品の品質向上にも寄与する技術。道産食材を対象に在庫管理を賞味期限延長による新たなバリューチェーンの構築を目指す。

実証実験プロジェクトでは、食品流通事業を展開するMMCフードサービス(宮谷将徳社長、千歳市)の物流倉庫にZEROCOを導入。ZEROCOを活用した大型設備での実証実験は今回が日本初の取り組み。農水省の「中小企業イノベーション創出推進事業」の助成を受けて実施する。

同実証実験は、北海道産食材・食品の長期保存と賞味期限延長を通じて、生産者が在庫をコントロールし、価格を決定できる新たなバリューチェーンの構築を目指すもの。50坪のZEROCO設備を活用し、千歳市および近郊の農産物(主にレタス、ブロッコリー、道産メロンなど)や水産物を対象に行う。温度管理や収穫から食卓に届けるまでの時間管理が厳しい食材に注目し、品質を維持しつつまずは道内、その後国内全域に届ける取り組みを実証する。また、牛乳をZEROCOによる予備冷却で冷凍食品化し、品質保持についても検証する。

実験で得られた成果を基に、北海道産品の価値を広めるべく、加工品や流通・小売業への導入、また道外や海外への流通など、幅広く展開していきたい考え。野菜や果物、鮮魚、精肉などの生鮮食品を長期間高品質で保存することを可能にする技術の活用により、生産者が在庫を持ち、自らの意思で価格を決定できる新たなバリューチェーンを構築し、第一次産業が抱える担い手不足やフードロス、需給のアンバランスや労働環境等の課題の解決を目指すとしている。

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