北海道運輸局と札ト協は11月10日、石狩湾新港地域で大学生を対象とした「物流関係施設見学会」を開催した。
物流の重要性や社会的役割などについて広く理解してもらい、人材確保につなげる狙い。北海商科大学の2・3年生約30人を中心に、小学校の教員や物流企業の従業員ら50人あまりが参加した。
主催者を代表して、札ト協労働委員会の清野敏彦委員長(ジャスト・カーゴ)は「物流とは、生産者から消費者までのモノの流れのことで、ECサイトで購入した商品も物流がなければ手元に届かない。生活全てに携わっており、大切な役割を果たしている。本日は物流施設などを見て、体験し、興味を持ってもらいたい。就職先の選択肢の1つとして物流を考えてほしい」と挨拶を述べた。
参加者は、石狩湾新港管理組合で富木浩司参事と池内直人主査から「平成29年度の外貿コンテナ取扱個数は5万723TEUとなり道内港湾で2番目の多さ」「道内最大の消費地である札幌圏に至近の距離の上、道北圏の主要都市への陸送距離が短い」「背後圏に北日本最大級の冷凍冷蔵倉庫群を抱えている」といった同港の特徴について説明を受けた後、花畔埠頭の国際コンテナ輸送基地に移動し、リーチスタッカーがコンテナを吊り上げる様子や、ガントリークレーン、リーファーコンテナなどを間近に見学した。
このほか、ホクレン農業協同組合連合会のパールライス工場、道内物流大手エースの石狩第7物流センターをそれぞれ見学した。
参加した学生は、海上コンテナの中に入ったり、リーチスタッカーの運転席に乗るなどしたほか、エースの物流センターでは、同センターで導入する予定のZMP社の物流支援ロボット「CarriRo(キャリロ)」が実際に人に追従して什器を運搬する様子を見学し、「機器の性能や価格」について質問するなど、関心を示していた。
視察に同行した北海商科大学商学部の加藤由紀子教授は「昨今は人流と物流を一緒に考える必要性が出てきている。普段見られない施設等を見学でき、学生達にとってもいい機会となった」と述べ、相浦宣徳教授は「より消費者に近い物流を見ることができ、参考になった」と話した。