北海道トラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会(座長・千葉博正札幌大学名誉教授)の21回目の会合が8月18日に開かれ、今年度は「モーダルシフトの実証事業」を行うことを決めた。同協議会は昨年度は開かれず、前回から約1年半ぶりの開催となった。
実証事業は「札幌〜函館」間のトラック輸送をJR貨物による輸送に転換し、鉄道モーダルシフトの機能性の確認と、今後のモーダルシフト拡大に向けたデモンストレーション動画を作成する。また、荷役作業の効率化を図るため、パレチゼーション化の仕組みを構築する。広域分散型で季節波動が大きく、長距離輸送を伴う道内物流の輸送効率を向上させ、併せて、物流コストや環境負荷の軽減を図ることを目的とする。

同協議会内に発着荷主、トラック事業者、JR貨物、行政関係者などで構成する「モーダルシフト促進ワーキンググループ」を設置し、コンサルに委託したうえで、実態調査やビジネスモデルの提案などを年度内に進める。参画するメンバーや扱う荷物、実証の実施時期などは今後決める。ワーキンググループは非公開で進める。
なお、トラック事業者が集荷し、JR貨物を利用する第二種貨物利用運送事業(鉄道)の形式で行い、幅広いトラック事業者の鉄道モーダルシフト導入の可能性を追求するため、集荷は「平ボディー」「箱車」を利用する。
事務局を務める北海道運輸局の貨物課は「トラックはコンテナ専用車を使用せず、一般貨物がメインの事業者でも鉄道モーダルシフトは敷居が高いものではないと示したい。実証の様子は各所で動画撮影を行い、公開する」としている。
会合ではこのほか、北ト協、公取委事務総局北海道事務所、北海道経済産業局、北海道農政事務所、北海道労働局、北海道運輸局がそれぞれ手がけた調査や取り組み、所管する法律などを説明した。