北海道でトラックドライバーが「黄金のペットボトル」を捨てているのか?

道内自治体の観光協会の職員がSNSに投稿したあるトピックスをめぐって過日、道内の運送事業者の間で議論が盛り上がった。
その投稿は「尿入りペットボトル」に関するもの。いわゆる「黄金のペットボトル」の問題だ。


観光協会職員が国道で多数の「尿入りと思われるペットボトル」を見かけたことから、8月上旬に地元自治体や道路管理者らで回収作業が行われた。これは非常に立派な環境美化活動だが、その際、活動報告としてSNSに「トラックの往来が多いと思われる特定の道路」で「多数確認」できると記載されたほか、回収作業の参加者から「ドライバーは敵ではない。北海道の物流を支えているドライバーの就労環境にも目を向けて、感謝を忘れずに寄り添った問題解決を」といった意見が出たと記載され、あたかも「トラックドライバーがペットボトルを捨てている」と匂わせる内容だったため、事業者の目に止まった。

この投稿を見た運送事業者は「こんなことをするトラックドライバーが北海道にいるのか。本当にトラックドライバーがやっているなら止めさせないといけないし、違うのなら間違った認識を変えなければならない」と問題提起し、それに対し、複数の事業者が反応した。

多くは、根拠を示さずにトラックドライバーのせいにしているSNSに対する疑問と、「今時トラックドライバーはそんなことはしない」「一度も見たことはない」といった反応で、「本州の高速道路などで渋滞により停まれない状況や都市部などで駐停車できない状況ならわからなくもないが、ほぼ渋滞が発生しない当該地域の国道でトラックドライバーがこんなことをするはずがない」「どうしても我慢できないなら、外でするはず。狭い車内では考えられない」「何の根拠もなくすぐにトラックドライバーのせいにするのはおかしい」「一般家庭の小さい子供のものではないのか」などの声が挙がった。

一方で、「仮眠した後、トイレに行くのが面倒になり、車内で済ませるケースがあるかもしれない」「道路工事などの長時間待機中に車内でしている可能性があるのではないか」「おかしなドライバーが1人いて、往来する度にこのようなことをしていれば、一定期間で相当な数になる」といった意見も出た。

「犯人」の証拠がなく、事実関係がわからない中での議論のため、結論はでなかったが、最初に問題提起をした事業者は、「トラックドライバーがこのようなことをしているという一般認識はとても残念で恥ずかしい。そういうイメージで捉えられるのが情けない」と力なく話していた。

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