北海道物流開発 「イノリフト」道内初の販売店に イベントでデモ実施 フィジカル・インターネット構築の一端に

北海道物流開発(斉藤博之会長、札幌市西区)は9月より、フィンランドのフレンディックス製の荷役機器「イノリフト」の販売店となり、札幌トヨペット(同豊平区)が同14・15の両日に開催した「ハイエースフェア」に出展、新規事業開発部の佐藤忠副部長と久保重好氏がパレットコンテナを用いて道内で初めてイノリフトのデモを行い、同製品を紹介した。
川上産業札幌営業所(同東区)が協力し、コンテナを提供した。
北海道地域の販売店は同社が第一号。北海道のみならず全国に向けてイノリフトの提案・販売を行っていく。今後、販売体制を整え、来春から本格的な営業を進めていく。

イノリフトは、パワーゲートとハンドリフターの機能を兼ね揃えたコンパクトな貨物ローダー。荷物とともに荷台に積み込むことができ、集配先でフォークリフトやパワーゲート、台車などがなくても、1人で重量物の荷役作業が可能になる。操作は電動モーターのため免許も不要で、女性やシニア層でも荷役作業が効率的に行える。「リフトマンが足りない」といった現場でも、同製品があれば、1人で効率的な荷役が可能になる。
機種によって性能が異なり、運搬能力は250㎏〜600㎏、持ち上げ高は800mm〜1400mm、重量は175㎏〜262㎏。バンやハイエースなどの小型商用車のほか、2㌧〜大型トラックでの活用も十分に可能だ。

デモを実施した久保氏は「この製品があれば、人がいない現場でもスムーズに貨物を降ろせる。ファミリー層のみならず、物流関係者にも多く関心を持ってもらった」と述べ、佐藤氏は「様々なシーンでの活用が見込まれる。ハイエースだけではなく、大型車でも有効。また、荷主に対して、輸送と荷役の分離の話もしやすくなる。イノリフトでドライバーが荷役をするとなれば、荷役料金の商談も効果的に進められる。このほか、自治体の避難所や大型ゴミの収集運搬での活用にも興味をもってもらった」と話した。

斉藤会長は「製品単体を売っていくというよりも、物流現場の働き方を大きく変えていくための一環として普及に取り組む。物流の現場から、手積み手降ろしをなくし、作業改善とともに、北海道の物流システムの効率化を進めたい」と話す。

同社では、今後長期的に人材不足が続いていき、物量が薄くなっていく北海道の物流効率化に向けて、「パレットやコールドロールボックス単位といった中ロット貨物のモジュール化」「モジュール化した貨物の積載・動態情報の管理」「モジュール化した貨物のマッチングシステム」などの仕組みづくりを進めており、こういった取り組みをつなげることにより、北海道で「フィジカル・インターネット」の構築を目指している。イノリフトの普及はこういった構想の一部を担う。
イノリフトやコールドロールボックスを活用すれば、フォークリフトの作業員や冷凍車がなくても、ドライバー1人で十分な重量の冷凍冷蔵品を地方部まで運べ、貨物はモジュール化しているので、作業効率も高まる。この結果、「地方部での物流の維持」や「物流コストの抑制」につなげることができる。

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