苫八航路・宮蘭航路 Sox規制の影響で運賃値上げ

川崎近海汽船は10月18日、船舶燃料の硫黄分濃度規制強化に伴い、北海道と本州を結ぶ主要航路である「苫小牧/八戸(苫八)航路」「宮古/室蘭(宮蘭)航路」の運賃を来年1月1日乗船分より値上げすると発表した。

貨物車の値上げ額は、車両のサイズにより異なるが、両航路ともだいたい片道3000~4000円の幅となり、これが「北海道の物流コスト」として直接跳ね返る。今後、他のフェリー会社等でも同様の措置を取ることが予想され、「物資の移出入のほとんどを海上輸送に頼る北海道」にとって、「構造的にさらなる物流コスト増加を余儀なくされる」ことは必至といえる。

国際海事機関(IMO)の海洋汚染防止条約の改定により、2020年1月から船舶用燃料油中の硫黄分濃度規制が強化されることへの対応であり、同社では、「主燃料を規制に適合する低硫黄C重油に切り替えて対応する」とし、「適合油は軽油などをブレンドして製造される為、従来の高硫黄C重油と比べ発熱量が低く、かつ、価格も一定程度上昇した価格で推移すると予想される」と説明。
「これまで運航の効率化や省エネ船の導入など様々な燃料費削減に努めてきたが、今回の燃料費上昇分は内部の合理化では吸収しきれない」として、運賃改定を行うこととした。

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