トラックパートナー 初のセミナー「ウィズコロナ〜新しい時代の運送業とは」開催

トラック運送業に特化した道内士業らの専門家集団トラックパートナー(佐々木ひとみ代表)は8月3日、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前で「ウィズコロナ〜新しい時代の運送業とは」と題して初のセミナーを開催した。
道内外の運送事業者約20人が参加、半数近くがZoomによるオンラインで聴講した。

トラックパートナーは、行政書士の佐々木ひとみ氏(行政書士佐々木ひとみ事務所)、弁護士の本間裕美氏(みらい共同法律事務所)、社労士・キャリアコンサルタントの藤渡一朗氏(藤渡社会保険労務士事務所)、財務コンサルの丸一良太氏で構成、運送会社の労務・財務・法律・人材育成などの経営課題を「ワンストップ」で解決する集団として今年度発足した。

佐々木氏は「コロナで大打撃を受けたこれからの運送事業、安全管理体制、社員教育の必要性」と題して、従業員の健康管理の重要性を訴えた。
他業界と比べての運送業界の心疾患・脳疾患の多さを指摘、「ドライバーが体調不良を感じ、路肩に停車したまま運行ができなくなったら、健康起因事故として事故報告書を書かなければならなくなる」として、こうしたリスクを抑えるための健康管理の手法を説明。
「現在、運送会社はドライバー個人の食事、睡眠、運動などの生活習慣にまで踏み込んだ健康教育を行う必要がある。これはドライバーに人生そのものを考えさせる人間教育につながる。ドライバーの命を大事に思い、親身になって考えてあげる企業になってもらいたい」と話した。

本間氏は「コロナ倒産に備える、取引先が破綻した場合の債権回収」と題し、コロナ禍によって今後、得意先からの売掛金回収が滞るケースもありうるとして、運送業界での債権回収の成功事例や回収方法を紹介。「相手が倒産した場合、債権回収は極めて難しくなる。日頃からドライバーを含めて取引先に関する情報を色々な角度から収集し、おかしな兆候があれば、早めに行動することが重要。可能ならば契約書の整備を行ってほしい」と述べた。

藤渡氏は「コロナがきっかけの助成金・補助金、社労士が今回の補助金等新規のお客さんは受けないのはなぜか」をテーマに講演。コロナ関連の多くの助成金・補助金について解説した後、「スポットの依頼では、書類未整備や要件を満たさない労働条件のケースが少なくない。要件が合致していない企業からは、事実を捻じ曲げてでも支給を受けたいとの要望もあるが、これは受け入れられない」と強調した。

丸一氏は「コロナ融資を受けた会社が知っておくべき財務改善内容の3つのポイント」と題して講演、コロナ禍でも企業価値を向上させるには財務経営知識が重要と述べ、経営者が把握すべき8つの指標を解説。「決算書や月次試算表を活用して自社の現状把握を行った上で、市場環境の変化に適応したビジネスモデルの変革を進めてほしい」と訴えた。

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