北海道運輸交通審議会 新型コロナ対応など情報交換

北海道の運輸交通施策の総合的な促進を図るために設置された北海道運輸交通審議会(会長・吉見宏北海道大学大学院経済学研究院教授)が8月18日、京王プラザホテル札幌で開催された。

「北海道交通政策総合指針」に規定した2020年度までに集中的に取り組む重点戦略の進捗状況が報告されたほか、鉄道・航空・海運・バス・ハイヤーの各業界の委員が新型コロナウイルス感染症拡大に関する対応状況や現況を報告した。トラック運送業界は不参加で、情報発信を行わなかった。
「北海道交通政策総合指針」の重点戦略では、物流関して「国際物流拡大戦略」「地域を支える人・モノ輸送戦略」の2点が設定されている。

「国際物流拡大戦略」に関する取り組みでは、主に「欧州路線の航空貨物スペースを利用したに輸出の実証実験(イギリス・イタリア・フィンランド)」「北極海航路を利用したコンテナ貨物輸送のトライアル」「苫小牧港での大型冷凍冷蔵倉庫の供用」「リーファーコンテナを活用した小口混載輸送の実証実験(台湾・シンガポール・マレーシア)」といった取り組みが進んでいると報告。
今後については「国際定期便では新千歳空港のスロット枠が飽和状態になりつつあるため、地方空港への誘致が課題」などとした。

「地域を支える人・モノ輸送戦略」では、様々な「貨客混載の事例」のほか、「農業分野の物流効率化に向けた国内初のレベル4技術を用いた自動運転の実証実験」「ドローンを用いた緊急医療用品搬送の実証実験」などの取り組みが報告された。また、「地域における共同輸送の実証」では進捗が遅れていると報告された。
今後については「輸送の共同化や自動運転の通年実用、新型コロナウイルスへの対応などに向け、物流・交通・荷主・各種団体など多様な業種間での連携強化が必要」とした。

中野祐介・北海道副知事は「北海道交通政策総合指針の重点戦略に係る取り組みは、今年度を最終年としているが、道内の輸送需要が一変し、策定時に想定していない先の見通せない状況となった。需要喚起に向けて各者が協力する必要がある」と述べた。

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