北海道開発局は3月31日、「北海道の港湾・漁港の技術開発ビジョン~持続可能な北のみなとづくり技術開発宣言」を公表した。
北海道の港湾・漁港の将来像や重点的に実施する技術開発等とともに、開発した技術の社会実装の方策を整理。「全国より早いスピードで進む北海道の人口減少」、「気候変動による低気圧の強大化や流氷の減少による波浪増大」、「1990 年代の整備施設の老朽化」などへの対応を重要課題と捉え、「持続可能」をキーワードとした。
社会情勢の変化と新たな要請を踏まえ、概ね「2030年までに北海道の港湾・漁港の目指す将来像」として、港湾物流では「生産性向上を実現したA港」というイメージを示した。
このA 港について、「大雪に見舞われ、ホワイトアウトで視界がほぼゼロの状況であっても、コンテナを荷役するクレーン等に作業員の姿が見当たらず、吹雪の中でも、完全な自働化が実現されている」といった姿のほか、「コンテナを置くスペースやエプロンも凍結しておらず、吹雪の中でも荷役がテキパキと行われている」、「フェリーターミナルでは、フェリーの離着岸も自動で行われている」、「貨物の荷役も自動運転で行われている」といった姿を示している。
自働化に必要な各種センサーへの降雪の影響の除去やエプロンの凍結問題の解決といった北海道独自の技術開発を進める必要があるとし、将来像実現のための重点技術開発として、港湾物流では「積雪寒冷港湾のターミナル自働化技術」「積雪寒冷地に対応した自動係留技術」「エプロン等の凍結抑制技術」を挙げた。