JFEエンジニアリング(福田一美社長、東京都千代田区)は12月9日、日本CCS調査より受注した「CO2液化・貯蔵・荷役設備建設工事(EPC)」を竣工したと発表。
同工事は、日本CCS調査が2021年6月にNEDOより共同で受託した「CCUS研究開発・実証関連事業/苫小牧におけるCCUS大規模実証試験/CO2輸送に関する実証試験」事業で使用する諸設備の一部を建設したもの。
同社は関西電力舞鶴発電所より排出される、石炭火力燃焼ガスから分離回収された年間1万㌧規模のCO2を液化、貯蔵し、船舶へ払い出すことができる陸上設備の設計から建設までを一貫して担った。
この陸上設備は、低コストかつ大量のCO2船舶輸送を実現するための技術として期待される低温・低圧条件下で設計されたCO2液化・貯蔵・荷役設備となる。
同工事を通じて培ったプラント設計・建設実績、技術的知見を集結し、将来的なCO2の大規模船舶輸送に伴うインフラ整備需要を、確実に支えていくとしている。
NEDOも同6日、委託事業である「CO2船舶輸送に関する技術開発および実証試験」を推進している日本CCS調査(中島 俊朗社長、東京都千代田区)が京都府舞鶴市と北海道苫小牧市で建設を進めていた液化CO2陸上施設の竣工式を開催したと発表。舞鶴市では11月26日、苫小牧市では同29日に開催した。
竣工式と併せて液化CO2輸送船「えくすくぅる」の第一船出荷セレモニーも執り行われ、関係官庁、地元の地方公共団体、共同受託者、建設事業者などが参加した。
同事業では、CO2を分離回収し有効利用や貯留をするCCUSの実用化に向け、船舶による大量輸送に適した温度・圧力条件で液化したCO2を、出荷・輸送・受け入れまで一貫して行う輸送システムの技術開発と実証試験を進める。