大樹町(酒森正人町長)は4月21日、宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を2021年4月より本格稼働させると発表した。世界の民間企業が利用できるロケット射場としてはアジア初であり、水平離着陸および垂直打上げ対応型の専用宇宙港としてもアジア初となる。
同町では2019年に「北海道スペースポート構想」を公表、その後具体的計画について内閣府の認定を受け、事業を推進するため、大樹町および6つの道内企業等が出資して、同町内にSPACE COTAN(小田切義憲社長兼CEO)を同20日に設立した。
同町は同社とともに、HOSPOの運営を通して宇宙産業の成長に貢献するため、人工衛星用ロケットや宇宙船を対象とした実験・打上げ射場・滑走路の整備を進める。
HOSPOでは、2021年度に民間企業インターステラテクノロジズ社のロケット打上げ、また各社・各団体等による航空宇宙実験を予定している。
大樹の酒森町長は「大樹町が35年以上前から夢みてきた『北海道スペースポート』がいよいよ本格的に動き始めます。人口5000人の小さな町の取組みです。でも、この芽はやがて十勝、北海道にとどまらず日本、そして世界に新たな産業を創出する『大きな樹』に育つものと信じています」とし、SPACE COTANの小田切社長兼CEOは「北海道スペースポートはいよいよLift Offします。人工衛星の活用を通じ私達の生活の質が更に向上するよう、ALL北海道で『宇宙版シリコンバレー』を目指し、そして日本を元気にしていきます」とコメントした。
北海道宇宙科学技術創成センターの上杉邦憲理事長は「スペースポートは単なるロケットの射場ではありません。海の往来に港が、空の往来に空港が必要なのと同じくスペースポートは宇宙の往来に必要な港『宇宙港』です。この度SPACE COTANの設立により、いよいよその実現への第一歩が踏み出されます」とコメントした。