北海道でのコンビニ最大手セコマ(丸谷智保社長、札幌市中央区)。同グループの卸・物流を手掛けているセイコーフレッシュフーズ(本田竜也社長、同白石区)の堤豪気専務が同グループの物流体制や特徴的について説明する。全3回の3回目。
▼無駄の洗い出しについて
一昨年、社内で効率化をさまたげていることや非常に面倒なことなどを一回全部洗い出した。全部で200件くらいの項目が出てきたが、主要なところ75項目について昨年1年間、当社と協力会社が改善の取り組みを進めた結果、54項目が改善できた。これはドライバーの負担低下や時間短縮などにつながった。
労働時間の短縮や残業代の値上がりなど働き方改革に対応する必要がある。これまでと同じやり方のままだと、とんでもないコストがかかってしまうので、今のうちになるべく無駄を省く下地をつくろうと取り組み、現在も継続して改善を進めている。
この中で大きな反省点が見つかった。トラブルや事故、ミスなどが発生した時、それを防止するためのルールをつくりがちになるが、それが雪のように積もっていくと、現場ではとんでもない作業量になり、「何のためにやっているか」「誰がチェックしているか」がわからないものも出てくる。実際に大量の書類を作成し、誰も見ずにファイルして、書庫に直行というケースもあった。そういう無駄を全部見直すと、キリがないくらい出てきたが、協力会社とよく話し合いながら改善した結果、業務の負担軽減につながった。
また、北海道から関東に向かうトレーラーは年間約1700本、関東から北海道にくるのは約2300本、これはまだまだ拡大している最中だが、南下と北上のバランスが悪いことが大きな課題と捉えている。常温のドライの商品は、関東から北海道に向かう便が多く、シャーシが北海道に溜まってしまい、冷凍チルドのシャーシはこの逆。メーカーや他社の商品や物品を物流に組み込もうと、グループのトップが積極的に営業している。これも協力会社の運行効率のバランスを平準化したいから。
▼協力会社との連携について
少子高齢化、過疎化、労働力人口の減少、ドライバー不足などに伴って物流コストも年々億単位で高騰し、非常に厳しい時代に突入したと実感している。これを仕方がないと放っておくと、数年先にはグループはなくなってしまうという危機感が強い。それをなんとか打開する方法をいろんな形で取り組んでいるのが当グループの物流。そのためにも、協力会社側との連携は絶対であり、かつ、必要である。
当社単体でも、協力会社だけでも課題解決はできない。当運送会社ときちんと同じ方向を向いて取り組んでいけば、これからの厳しい環境にも立ち向かっていけると考えている。