道経連「2050北海道ビジョン」発表  物流の取り組みも多数言及

北海道経済連合会は6月29日、「2050北海道ビジョン~『課題解決先進地域』のフロントランナーを目指して」を公表した。
2020年7月に「Society5.0 ワーキンググループ」を設置、そこでの議論をもとに取りまとめたもの。
同ビジョンは、2050年を目標年として定め、望ましい北海道の姿を「ありたい未来」としてイメージ、「何を為すべきか」「今後の活動の方向性」などを取りまとめた。2050 年に向けたマイルストーン(通過点)を2030年に置き、6つの目標を設定、達成に向けて協働・連携して取り組む項目を多く提言し、物流に関する言及も多くなされた。

「デジタルを活用した地域づくり」の目標に関連し、「地域社会を維持し、農林水産・食・観光産業を支える交通や物流について、利便性が高く、社会課題の解決に資するしくみを整備」、「地域型MaaSによる移動手段確保と、物流、小売、エネルギー、飲食、医療、ヘルスケア、デジタル地域通貨等との連携による新たなサービスや価値の創出・利便性向上」、「最適な地域物流拠点の形成、物流コスト抑制と輸送効率向上(貨客混載、共同配送、 規格化パレットの普及、連結トラック、自動走行トラック、IoTを用いた最適な配送計画等)」といった取り組み項目が挙げられた。

このほか、「北海道の強みを活かした『稼ぐ力』の向上」の目標に関連し、「eコマース推進・特区適用・スマートフードバリューチェーンの構築などによる食産業における移輸出拡大」、「北海道新幹線札幌延伸、札幌都心部の交通結節点強化、第二青函トンネル等による北海道のさらなる魅力の発信」、「道内7空港+丘珠空港を中心とする航空ネットワークの充実」などの取り組み項目が挙げられた。

「北海道発未来産業の創出と道外・海外への展開」の目標に関連し、「生鮮品の鮮度保持技術などフードテック分野の育成・実用化」が挙げられた。

「リスクに強靭な分散・循環型社会の実現」の目標に関連し、「異なる事業セクター間(エネルギー、水道、交通・物流、情報インフラ等)の連携や相互補完による効率的かつ持続的なライフラインの実現」、「高規格道路のミッシングリンクの解消・4車線化等の道路・港湾・河川や、エネルギー、水道等、各種インフラの整備・維持・更新による強靭化の推進」、「冬道自動走行や自動除雪等、冬の克服につながる技術開発・実用化」、「フードロスの削減に向けたサプライチェーンの整備」などが挙げられた。

「脱炭素社会を実現するフロントランナー」の目標に関連し、「産業・民生・運輸部門における新技術導入等を通じた電化推進」、「交通・運輸部門へのEV・FCV導入推進、積雪寒冷地用のEV開発促進」、「EV充電インフラやFCV向け水素ステーションの導入拡大」、「脱炭素に資する公共交通機関の利活用及び貨物輸送におけるモーダルシフトの推進」などが挙げられた。

同ビジョンでは、「北海道の明るい未来を創るためには、決して人任せにせず、道民一人一人が北海道のことを真剣に考え、行動し、「early small successes」を積み重ねていくことが必要不可欠」とし、「北海道モデルとして世界に向けて訴求・発信できる『課題解決先進地域』となることを目指す」としている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする