エア・ウォーター(白井清司社長、大阪市中央区)は9月13日、グループ会社のエア・ウォーター物流(向出敏行社長、札幌市豊平区)とエア・ウォーター北海道(北川裕二社長、同中央区)が、北海道で産業廃棄物等の輸送・処理事業を展開するリプロワークホールディングス(武田篤社長、石狩市)の株式90%を取得し子会社化したと発表。
株式取得日は8月30日。株式取得の割合は、エア・ウォーター物流が70%、エア・ウォーター北海道が20%。
廃棄物の適正処理、資源リサイクルに必要な事業基盤の構築、資源循環型社会の実現に向けた取り組みの強化などを目的としている。
エア・ウォーターグループの物流関連事業は、食品物流や医療物流のほか、フェリー航路でのシャーシ輸送など幅広く展開。中でも、医療・環境分野の物流事業においては、PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物や医療廃棄物の収集・輸送を手掛けている。
リプロワークHDは、1974年に写真の廃液処理業を開始し、現在では北海道全域で様々な産業廃棄物の収集・輸送や処理・リサイクル事業を展開。グループで売上高は約18億円(2021年3月期)、従業員は87人で、石狩管内と根室管内の2か所に産業廃棄物の中間処理施設を有するほか、医療系の感染性廃棄物では北海道内で約4分の1のシェアを占める。
今回の子会社化により、エア・ウォーターグループは、従来の収集・輸送だけでなく中間処理まで一貫した廃棄物処理体制を構築することが可能となる。
将来的には処理施設から発生するCO2の分離回収や排熱の有効活用による新たなビジネスモデルを創出するほか、エア・ウォーターグループが展開するバイオマス関連事業との連携によって、地球環境に優しい社会インフラ、資源循環型のクリーンな物流ネットワークを拡充し、地域の社会的な課題解決に取り組んでいく考え。