北海道開発局と道内コンビニ最大手のセコマグループは6月21日、札幌第1合同庁舎で「北海道の生産空間の維持・発展に資する連携協力協定」を締結した。道路交通の安全性確保や、生産空間を支える取り組みを連携して進めるもので、北海道開発局としてコンビニチェーンとの間でこのような包括的な協定を結ぶのは今回が初めてとなる。
締結式には、北海道開発局の倉内公嘉局長、セコマ(札幌市中央区)の丸谷智保会長、同グループの物流を担うセイコーフレッシュフーズ(同白石区)の本田竜也社長が出席した。
平成28年3月に閣議決定された「北海道総合開発計画」では、北海道の強みである食や観光を提供する地域を「生産空間」と位置付け、北海道開発局は、食料基地としての持続的発展、食と観光を担う「生産空間」を支える取り組みを重点的に進めている。
一方、セコマグループは、北海道の地域カバー率97%を超える約1100店舗を展開、主要12カ所の物流センターを拠点として全道に独自の物流ネットワークを構築し、地域への食料供給や北海道の魅力の向上に取り組んでいる。
両者は「北海道の地域社会への貢献」という共通の目標の下、相互の強みやネットワークを活用し、緊密かつ組織的な連携・協力体制の構築のため、今回の協定を結んだ。
当面の取り組みは、①セコマグループのトラックドライバーが道路の異常や破損などを発見した際、「道路緊急ダイヤル」に通報する、②大雪・暴風雪時における滞留車両乗員の保護のため、食料品・飲料水などの救援物資をセコマ店舗と連携して確保する、③災害時等に伴う広域的な国道の通行止めが発生した際、両社が情報共有し、地方の生産空間への物資輸送の円滑化に協力する、④セコマ店舗をサイクリストの休憩施設として案内し、道東の7店舗にサイクルラックの設置を施行するーの4点。
北海道開発局の倉内局長は「広大な土地を生かした第一次産業と、豊富な自然資源が北海道の強み。これらを支える生産空間は広域に分散し、コミュニティの維持が課題。セコマグループはまさに生産空間の維持・発展に向けて事業を行い、独自の流通網で地域の生活を守っている。お互いの強みを生かし、取り組みを進めていきたい」と述べた。
セコマの丸谷会長は「北海道の生産空間は、人口密度が低く、距離も離れ、商流が少ないため、物流の観点では難しいが、当社は全道に物流網を築いて過疎地域にも出店し、生産空間を支える取り組みを行っている。また、災害時は物流の確保が一番のポイントで、支援物資を早く届けるための道路情報が重要となる。さらに北海道の発展と災害に強い地域づくりにむけて北海道開発局と協力していきたい」と述べた。