プラスチック製品製造メーカーの甲子化学工業(南原在夏社長、大阪市東成区)と猿払村(伊藤浩一村長)は12月14日、水産系廃棄物のホタテ貝殻を再利用した環境配慮型ヘルメット「HOTAMET(ホタメット)」を発表した。
同日より、「応援購入サイト Makuake」にて「HOTAMET」の先行予約販売を開始した。本発売は2023年3月末を予定。
同社では、ホタテ貝殻とリサイクルプラスチックをベースに新素材の開発に着手。猿払村から、余剰貝殻の提供支援を受け、廃棄ホタテ貝殻と廃棄プラスチックを組み合わせた、エコプラスチック新素材「カラスチック」を開発。
「カラスチック」は、新品のプラスチックを100%利用するのと比較して最大約36%、また、石灰岩由来のエコプラスチックと比較して約20%のCO2削減に寄与。ホタテ貝殻をプラスチックに混ぜ込むことで、強度(曲げ弾性率)が約33%向上し、さらに、廃棄物を活用したリサイクル素材のため、世の中の廃棄物を減らすことができ、地域の廃棄物問題解決の一助となることが期待される。
防災用品としての備蓄や、一般向け販売、ふるさと納税返礼品としての導入など、猿払村から全国へ「HOTAMET」を順次展開していく予定。
猿払村の伊藤村長は「ホタテの貝殻を、廃プラスチックと共に作り出される『カラスチック』として生まれ変わらせ、ヘルメットとして人々の頭を守る存在になることができれば、持続可能な社会の実現に寄与できると考える」とコメント。
同社では、エコプラスチックの製造技術を活かし、プラスチック使用量削減に取り組む猿払村とともに、ホタテ貝殻をプラスチックに代わる重要な資源として捉え、サステナブルな取り組みをより一層推進していくとしている。