北海道労働局 改善基準告示改正に伴い「荷主特別対策チーム」編成

北海道労働局は12月23日、厚労省が同日に「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」を改正したことに伴い、トラック運転者の長時間労働の是正のため、発着荷主等に対して、長時間の荷待ちを発生させないことなどについての要請とその改善に向けた働きかけを行うことを目的とした「荷主特別対策チーム」を編成したと発表。

改正された改善基準告示は、令和6年4月1日から適用され、年間の最大拘束時間が3516時間から「原則3300時間・最大3400時間」へ、1カ月の最大拘束時間が原則293時間・最大310時間から「原則284時間・最大310時間」へ、1日の休息期間が継続8時間から「継続11時間を基本とし、継続9時間」へとそれぞれ変更される。

道路貨物運送業は、他の業種に比べて長時間労働の実態にあり、過労死等の労災支給決定件数が最も多い業種であることから、トラック運転者の方の長時間労働の是正等の働き方改革を一層積極的に進める必要があるが、長時間労働の要因には取引慣行など個々の事業主の努力だけでは見直すことが困難なものがあるため、「荷主特別対策チーム」が「発着荷主」や「道路貨物運送業の元請事業者」等に対して要請と働きかけを行うこととした。

「荷主特別対策チーム」は、トラック運転者の労働条件の確保・改善に知見を有するメンバーで編成。新たに任命する「荷主特別対策担当官」を中心に、北海道労働局労働基準部監督課の労働時間管理適正化指導員、労働基準監督署の労働時間改善指導・援助チームの労働時間相談・支援班の班員により構成。
道内の各労働基準監督署が、発着荷主等に対し、「長時間の恒常的な荷待ちの改善に努めること」「運送業務の発注担当者に改善基準告示を周知し、トラック運転者がこれを遵守できるよう協力すること」などを要請する。

 荷主特別対策担当官は、これら要請を受けた発着荷主等が要請事項に積極的に取り組めるよう、労働時間管理適正化指導員に指示し、発着荷主等 へ訪問させる。労働時間管理適正化指導員は、訪問した発着荷主等に対して、荷待ち時間等の改善に係る好事例の紹介等のアドバイスを行う。

その他、荷主特別対策担当官が中心となり、管内の荷主団体等への要請に関する調整や荷主等による長時間の恒常的な荷待ちに関する情報の地方運輸機関に対する通報を含む連絡調整等を行う。

厚労省HPに「長時間の荷待ちに関する情報メール窓口」を 新設し、発着荷主等が長時間の荷待ちを発生させていると疑われる事案などの情報を収集し、その情報を基に、道内の各労働基準監督署が要請等を行う。

「改正された改善基準告示を広く周知するほか、こうした取組を通じて、トラック運転者が健康に働くことができる環境整備に努めていく」としている。

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