北海道経済産業局「北海道の物流環境、荷主と物流事業者の取組・課題等の把握に係る基礎調査事業」

北海道経済産業局は8月25日、「令和4年度地域経済産業活性化対策調査事業(北海道の物流環境、荷主と物流事業者の取組・課題等の把握に係る基礎調査事業)」の調査結果を発表した。

主にトラック輸送の観点から北海道の物流に係る実態や課題等を明らかにすることを目的としたもの。各種統計や文献等のデータを活用したほか、農業、食品、建設、日用品分野に着目し、道内25企業・団体(荷主企業15社・団体、物流企業8社、関係機関2団体)から調査協力を得た。

ヒアリングでは、荷主企業から「力関係について、現在は荷主が優位だが今後はこれが逆転する」との意見があり、物流事業者からは「運賃等の見直しについて、交渉に応じてもらえない、まともな交渉ができない」との声があった一方、「物流問題の報道等の影響で、従前よりも運賃交渉に対応する荷主企業が増えた」との声もあがった。
取引条件の見直しや、物流業務の改善に向けて、「納品量が少ない地域への輸送は量販店の物流網と連携して配送」「着荷主と納品日の調整」「パレット輸送」「混載・共同輸送」などを進めている事例を把握。

トラックドライバーの労働・拘束時間の規制等に係る法令への対応状況では、「長距離ドライバーは、中継輸送の実施、着地での宿泊や往復のドライバーを変える」といった取り組みがみられたほか、「頭ではわかっていても自社の事として考えるまでには至っていない荷主企業が存在する」との声もあり、「荷主企業全般としては物流の2024年問題等に対する認識が物流企業の期待よりも低い」「物流企業の中には2024年以降は荷主企業を選択せざるを得ない企業や輸送路線の廃止を検討している企業がある。今後は物流企業に選ばれる立場となる場面も増えてくる」とした。

道内トラック物流の安定化・効率化に向けた課題として、「物流サービスの仕様を決める荷主企業が、物流問題を自社の問題として捉えて物流企業とともに考える意識の醸成が重要。さらに、企業の製造、物流、販売といったサプライチェーンの全体最適を視座に入れた戦略構築とその実現に向けた経営力の向上が重要」「企業の枠組みを超えた企業間の連携により、積載率の向上や片荷輸送の解消、積込・積卸時間の短縮等による物流の効率性向上を図る取り組みが重要」などした。

また、企業の枠組みを超えた取り組みの推進に向けて、「公的機関等の第三者的な立場の機関の働きかけによる検討の場の創出が企業間において物流における協調領域を探る有力な方策」「先駆的な取り組みや資本力が脆弱な中小企業等を対象とした資金面の支援等、普及促進に向けた公的機関の後押しが期待される」などと取りまとめた。

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