各地で熱戦が繰り広げられているラグビーW杯2019日本大会。日本代表は9月28日に静岡県のエコパスタジアムで行われた1次リーグA組の第2戦で、優勝候補の一角・世界ランキング2位のアイルランドを19-12で撃破し、歴史的な勝利をつかんだ。日本代表のW杯での大金星は、前回2015年イングランド大会の南アフリカ戦が記憶に新しいが、シズナイロゴス(札幌市白石区)の伊藤昭人会長は、この2試合を現地で観戦、日本のラグビー史に残る2度のジャイアントキリングを目の当たりにした。
今回のアイルランド戦について、「試合前は40-10くらいのスコアで敗れるのではないかと思っていた。キックパスから2つのトライを奪われ、ペナルティキックのチャンスで外すなど、よくない流れだったが、前半を接戦で折り返し、後半にスクラムで互角以上に渡り合い、相手から反則を奪ったことで『これは勝てるのではないか』と感じた」と振り返り、「逆転のトライを奪ってから、試合終了までの20分あまりの間が長くて仕方がなかった」と笑う。
「W杯に向けてしっかりと準備してきたジェイミー・ジョセフヘッドコーチの信念、また、長期間、非常に厳しい練習に耐えてきた選手たちに敬意を表したい。ヘッドコーチは、試合前に選手に向かって『誰も勝つとは思っておらず、接戦になるとも思っておらず、どんな犠牲にしてきたかも知らず、信じているのは自分たちだけ』というメッセージを発し、奮い立たせた。試合中は、すばらしいプレーがあると、どちらのチームのプレーでもでも大きな歓声や拍手が起こった。この4万7000人を超えた観客の力も大きかった」と話した。
アイルランドサポーターとも打ち解け、試合後にはアイルランドのユニフォームをプレゼントされた。互いの健闘を讃え合うノーサイドの精神が披露された形だ。