帝国データバンク札幌支店は10月13日、「脱炭素社会」が企業へ及ぼす影響について実施したアンケート調査の結果を公表した。7月18日~31日にかけて、道内1190社に聞き、511社から系統を得た(回答率42.9%)。
脱炭素社会の進展により、「プラスの影響」があると回答した企業が全体で14.7%、 「マイナスの影響」があると回答した企業が19.6%だった。なお、「影響はない」は32.9%、「分からない」も32.9%となり、合わせて7割弱を占め、脱炭素社会の進展に実感が乏しい状況が判明した。
業界別にみると、運輸・倉庫業は「プラスの影響」があるが8.3%で全業種のうち3番目に低い割合となった。また、「マイナスの影響」があるは33.3%と全業種で2番目に高い比率となった。小売業とともに、運輸・倉庫業は脱炭素の流れにマイナスの影響を感じている企業の割合が高いことがわかった。
同支店では、「マイナスの影響」が「プラスの影響」を上回り、それ以上に「影響はない」「分からない」が上回る結果から、脱炭素社会の進展に対する実感が乏しい企業が多く、各社への直接的な影響が出るのはしばらく先になりそう。 地球環境に関心の高い海外企業を中心にサプライチェーン全体で「脱炭素経営」に取り組む姿勢が広まるなか、国内企業も大企業にとどまらず、脱炭素への取り組みが求められ、中小企業に至るまでのすそ野の広い仕組みづくりが急がれるとしている。