北海道(鈴木直道知事)とNTT東日本北海道事業部(島津泰執行役員北海道事業部長、札幌市中央区)は11月2日、北海道でのデジタル活用の機運を醸成することを目的に「北海道ミライづくりフォーラム2023」を開き、この中でドローンの最新動向と今後の活用可能性を紹介する「ドローンフォーラム」を開催した。
道内外の自治体によるドローン利活用の事例発表が行われ、上士幌町デジタル推進課の梶達課長は、同町内で行われたドローンによる牛の受精卵や新聞宅配、車両と連携した「空陸ハイブリッド配送」の事例を報告。「市街地から離れた広大な農村部への荷物のうち、ドローンに振り分けられる荷物の検証を行っており、約45%がドローン配送可能だった。これをドローンに任せれば、市街地での車両の配送効率が1.5~2.5倍に上昇する」という試算を公表。あわせて、ドローンと自動運転バスを共通のシステムにより連携させることで、「人とモノの移動が最適化でき、移動コストの削減が図れる」と述べた。
このほか、浜松市や伊那市のドローン活用事例が紹介され、3自治体によるパネルディスカッションも行われた。
また、千歳市企画部空港政策課の田中稔大課長が「空飛ぶクルマ」についての取り組みを説明したほか、北海道総合政策部次世代社会戦略局の上原和信局長がドローン利活用の推進・社会実装に向けたマッチング支援等を行う「ほっかいどうドローンワンストップ窓口」を紹介し、「冬季の活用について検証を進め、寒冷地でのニーズを発信し、寒冷地仕様のドローンの開発を促していく」と述べた。
会場には74のブースが設けられ、ドローンの実機や活用事例が多く紹介された。