旭川開発建設部は10月2日、道北地域の道の駅を一時的な集荷拠点とし、道の駅間を通行する積荷量に余裕のあるトラックを活用した農水産品や特産品等の輸送の実験を10から11月にかけて2回行うと発表した。併せて、この試行に協力できる荷主を募集している。
道北地域では近年、多頻度・少量・長距離の輸送に対応できる物流事業者が減少し、主に農産品の生産者は「希望する時に出荷できない」「自ら選果場まで商品を輸送する」といった負担が生じていた。
一方、物流事業者は、ドライバー不足、輸送需要の多頻度化・少量化・長距離化等の要因により採算性が低下。加えて、道北地域の輸送は農水産品の収穫期の季節変動等に左右されることが多く、片荷輸送の頻発など積載効率が悪かった。
こういった要因が重なり、国内の「食」を支える広域な生産空間の維持が将来にわたって困難となる恐れがあった。
このため、近隣の道の駅を一時的な集荷拠点とし、積荷量に余裕のある長距離物流トラックが立ち寄りながら荷物を共同輸送する試行を実施する。これにより、新たな輸送ニーズを把握するとともに、広域な生産空間での生産者の負担減、長距離物 流トラックの積載率向上の効果等を検証。
期待する効果として、生産者は「希望時に少量の生産物を出荷しやすくなる→生産者の負担減・空き時間の有効活用」、物流事業者は「片荷輸送対策による新たな利益が発生→輸送の効率化、ドライバー不足の緩和」を見込んでいる。
輸送方法は、2パターンを想定。
パターン1は「道の駅間の輸送」。「荷主が道のAに持ち込む→片荷トラックが道の駅Bに運ぶ→受取主が道の駅Bに荷物を取りに来る」という流れ。
パターン2は「道の駅から全国への輸送」。「荷主が道の駅Aに持ち込む→片荷トラックが契約している宅配業者の配送センターまで運ぶ→宅配業者が日本国内の受取主に届ける」という流れ。
集荷場所(持込みや受取りが可能)となる道の駅は原則、「なかがわ」(中川郡中川町、「おといねっぷ」(同郡音威子府村、「びふか」(同郡美深町)、「もち米の里☆なよろ」(名寄市)の四カ所。
輸送の試行(集荷日時)は2回行い、第1次集荷は10月5日〜9日、第2次集荷は同月19日〜11月5日。ともに土日・祝日は除き、集荷時間は各日10:00~14:00間を予定している。
なお、試行期間に集荷場所の道の駅まで荷物を自分で持ち込める荷主を11月2日まで募集する。
国道40号(旭川~稚内)を利用して少量の農水産品や特産品等を輸送している荷主が対象で、このほか、自転車・レンタサイクル等の輸送も可能。旭川開発建設部の委託を受けたドーコンが荷主と荷物の輸送方法について直接調整を行うが、輸送物の内容や一度の輸送量、時間帯によっては、輸送を受けられない場合もある。
送り先への届け日時、具体の輸送費、その他の条件等についても、ドーコンにて申込内容を確認した後、電話による相談を行う。相談後、了承した荷主の荷物を輸送する。なお、提示した条件等に賛同できない場合は、申し込み内容を取り消すこともできる。