砂糖の原料となるてん菜の輸送に従事するトラックドライバーの人手不足が深刻化する中、北海道糖業と鹿児島県徳之島の南西糖業が連携し、試行的に北海道と徳之島のトラックドライバーの相互交流に取り組んでおり、8月から、鹿児島県のトラックドライバー2人を順次、本別運輸(佐藤貢社長、中川郡)が雇用し、今シーズンのてん菜の輸送に従事している。本別運輸でトラックドライバーをしているのは、伊仙町在住の貞純男氏と徳之島町在中の住栄二氏。
10月27日に徳之島の関係者が本別運輸を訪問し、この取り組みの継続・拡大に向けて、道内の関係者との意見交換を行った。北海道側から、北海道糖業、本別運輸、北海道農産協会、 北海学園大学、北海道(農政部、十勝総合振興局)が参加、鹿児島県側からは、南西サービス、南西糖業、鹿児島県庁、鹿児島県農業・農村振興協会が参加した。
この取り組みは、北海道農産協会が中心となり、北海道をはじめとした 関係機関が連携し、サポートしているもので、てん菜の収穫期に収穫繁忙期が異なる鹿児島県のさとうきびの輸送等を請け負っているドライバーに北海道に来てもらい、北海道のドライバー不足の緩和を図る狙い。将来的には全道的な交流(相互に繁忙期に不足するドライバー、オペレーター等の受け入れ)に発展することを期待して、北海道農政部や北海道農産協会当がサポートして、当面は試行的に実施し、課題の把握と解決策の検討を行っている。
今年度は、8月から11月末まで徳之島のトラックドライバーが本別町に住み込み、(北海道糖業が社宅を提供)、本別運輸が期間従業員として雇用(本別運輸が通勤用車両を貸与)し、農産物等(主にてん菜)の輸送業務に従事している。また、12月から令和6年3月にかけて、徳之島でさとうきびの収穫・輸送作業等に従事する人材を北海道で募集することを試行する。
今回の事例を踏まえ、通勤用車両の貸与や宿舎の斡旋、交通費の補助、休日のレジャーの斡旋など受入人材のニーズに応じて柔軟な対応を検討するとしている。