北海道物流人倶楽部(斉藤代表幹事、北海道物流開発)は3月11日、札幌パークホテルで70回目の例会を開催、北海道運輸局自動車交通部貨物課の砂田弘一課長が「トラックGメンの活動状況」について、北海道開発局開発監理部開発調整課の三岡照之開発企画官が「ロジスクの取り組みについて」をテーマに講演した。約40人が参加した。
砂田課長は「トラックGメンは、トラック事業者の立場に立ち、適正運賃の収受や労働環境の改善を実現し、2024年問題の解決を目指す専門部隊である」と強調し、違反原因行為の類型やこれまでの活動状況などを説明。
荷主や元請けに対する「働きかけ」「要請」「勧告」の実施件数はGメン発足前は月間平均1・8件だったが、発足後はこれが平均57件、昨年11〜12月の「集中監視月間」では平均106・5件と大きく増え、さらに同月間では初の「勧告」を2件行ったと報告。
道内では2月末までに「働きかけ」を9件、「要請」を4件行ったとし、「対象となった荷主や元請けはフォローアップを継続し、改善が図られていない場合は、更なる法的措置の実施も含め、厳正に対処する」と述べた。
また、「プッシュ型の情報収集を659件実施しているが、『身バレ』を恐れているのか、トラック事業者などから有効な情報を得ることが難しい。情報をいただいても、それが正確なものか、発着荷主のどちらの問題なのか、といったことを精査する『裏ドリ』に時間がかかる。今後は荷主側にもGメンの存在をより認知してもらうようアプローチしたい」と語った。
三岡氏は「本日の午前4時に『2024年度がスタートするまで500時間』となった。北海道の地方部の物流を維持するため、共同輸送・中継輸送のシステム構築が必要と考え、社会実装に向けて取り組みを進めている」とし、「このためには、共同輸送・中継輸送を行うための『拠点の整備』や『マッチングの仕組み』が必要であり、マッチングを支援するために、お見合いのように顔合わせができる『ロジスク』という場を新たに設け、これまで2回開催した」と報告。この結果、「新聞配達と野菜の集配」の共同輸送の実現に向けて協議が進んでいる事例を紹介。来年度はビックデータを活用し、「港湾を中心としたロジスク」「道の駅を活用するロジスク」など、より精度の高いマッチングを行いたい」と述べた。
斉藤代表幹事は「当倶楽部は発足してから約12年経つが、その頃には考えられないくらい物流の話題が広く話題になっている。これからの北海道の物流をどうするかを考える場所として、今後も運営をしていきたい」と話した。