北海道は7月11日、かでる2・7で「人口問題を考える講演会」を開き、日本郵政社長で、人口戦略会議の副議長の増田寬也氏を講師に招いた。
増田氏は「人口減少といかに向き合うか~『消滅可能性都市』公表から10年」と題して講演。日本の人口が今後、急激に減少し、北海道でも2020年(522万人)と比べ、2050年には26・8%減少して382万人になると指摘し、「人口が増加し、生産年齢人口が多くいる前提だった社会保障をはじめとしたあらゆる分野の制度を、人口減少社会に適応させた形に切り替えていく必要がある」と訴えた。
広域圏では幹線交通などの広域連携のプロジェクトを実施するものの、地方の中核都市を核とした地域の生活圏(人口10万人程度以上が目安)では「交通事業者の共同経営」や「共同配送」などの取り組み、小さな集落生活圏では「デマンド交通貨客混載バス」や「買い物支援活動」などの取り組みがそれぞれ重要になるとした。
また、「2024年問題により、日本郵政傘下の日本郵便でも、ヤマト運輸などと協力し、再配達削減に向けての取り組みなどを行い、ドライバー不足を乗り越えようとしている。人口が減少し、縮小していく社会に適応していくことはあらゆる分野において避けられないこと。縮小社会への適応策を講じ、賢く縮んでいくことが必要だ」と強調した。