北海道運輸局、北海道、札ト協は10月22日、札幌東商業高校の流通経済科2年生約80人を対象とした物流施設体験会を開催した。
日常的に購入し、消費している商品を製造・出荷する工場や、これらを在庫・仕分け・出荷する大型物流施設、運ぶトラックなどを見学することで物流現場を体感し、物流業界への関心を高めてもらうことを目指す取り組み。北海商科大学、北海道コカ・コーラボトリング、幸楽輸送、イオン北海道、イオングローバルSCM、センコーが協力した。
生徒は、北海道コカ・コーラボトリング札幌工場(札幌市清田区)と、イオン北海道RDC(北広島市)を見学した。
北海道コカ・コーラボトリングでは、製造ラインや立体自動倉庫、出荷バースなどを見学。幸楽輸送の従業員によるフォークリフトでのトレーラへの積み込み作業を見学したほか、トラックやフォークリフトへの試乗も行った。立体自動倉庫について「約200万ケースが保管でき、売れる時期なら2週間程度でこの在庫が出荷される」、大型トレーラについては「1台で約2000ケース、4万6000本ほどの飲料水を運べる。一人では一生かかっても飲みきれない量となる」などと説明を受けた。
また、幸楽輸送の不動直樹社長が講話を行い、「誰が・いつ・どこで・何を・どれだけ購入するのか分からない中で、物流は不確実な未来に対応するべく、シミュレーションと意思決定を行い、商品を供給し続けている。サプライチェーンは、調達・生産・物流の連鎖であり、同時に不確実性を前提とした意思決定の連鎖でもある。関係者間で意思疎通を適時に行い、全体最適を図ることがサプライチェーンマネジメントの最も重要な点である」と訴えた。
北海道運輸局交通政策部の松本憲一環境・物流課長は「自分が働くイメージを持ちながら、教科書では分からない物流現場の『今』を楽しみながら体感し、学んでほしい」と呼びかけた。