国交省と北海道は11月6日、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前で北海道新幹線札幌延伸に伴う鉄道物流のあり方に関する有識者検討会議(座長・二村真理子東京女子大学現代教養学部教授)の4回目の会合を開催した。
北海道新幹線の札幌延伸の影響で、JR北海道から経営分離される並行在来線「函館線函館︱長万部間(約148㌖)」に関する諸課題の解決方策を検討するため、今回は内航海運事業者団体、道内小売企業からヒアリングを行った。
北海道船主協会連合会の嶋村嘉高会長と、イオン北海道商品戦略部の石田将物流改革マネージャー、イオングローバルSCMの坪井康彦センター運営企画本部長から、物流の現状や課題などを聞いた。
同会議ではこれまで、物流事業者(第2回会議)、農産品や食料工業品を扱う荷主(第3回会議)を対象にヒアリングを実施。今回でヒアリングを終了し、並行在来線を維持し、貨物鉄道機能を残した場合の利点や課題などを整理し、今年度中に「中間とりまとめ」を行う。
その後、線路の保有主体や年間数十億円にものぼる多額の費用負担のあり方を含めた個別課題の解決方策について検討を進め、2025年度末を目途に最終的な結論を得る予定。
札幌延伸は当初予定していた2030年度より大幅に延期されるが、同検討会として「中間とりまとめ」と「最終結論」を出すスケジュールに変更はないとした。また、4か月あまり先に出す「中間取りまとめ」に「どのような論点を盛り込むか」「費用負担の方向性を示すか」などについては、「まだ何も決まっていない」とした。