月形町(上坂隆一町長)、日本気象協会(渡邊一洋理事長、東京都豊島区)、AGC(平井良典社長、同千代田区)は12月2日、同町内の気象データを集積・分析することで、冬季のホワイトアウト発生を予測し、デジタルサイネージを通じて町民へリアルタイムに情報発信する技術の実証実験を行うと発表した。同日より2025年3月末まで行う予定。
この取り組みにより、冬季の交通事故リスクの低減や適切な運転計画の支援、同町の大雪や吹雪による被害の低減に貢献することを期待している。
北海道では大雪や吹雪に伴う視界不良は、事故の主な要因の一つ。多重衝突事故につながるリスクが他の事故要因と比較して高い傾向があり、長時間にわたって道路が通行止めとなることによる物流の遅延など、地域経済への悪影響も懸念されている。
同実証実験では、視界不良の中でも特に著しい状態であるホワイトアウトに注目し、その発生を予測してリアルタイムな情報発信を行う。
AGC窓設置カメラ「ミハルモ」を、同町南地区広域集落会館、札比内コミュニティセンターに設置し、国道275号沿線2地の画像データを取得する。この画像データをもとに、日本気象協会が開発したAIが、2地区の視程情報を15分ごとに5段階で判別。さらに、リアルタイムの視界判別情報と最新の気象情報を独自に解析し、1時間ごとに6時間先までの視程を予測する。これらの情報は、同町役場と同町総合体育館に設置されたサイネージで表示する。
実証実験の終了時はアンケートを行い、対象区間の道路利用者の運転計画に対する寄与の効果測定を行う。