北海道トラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会は3月16日、9回目の会合をホテルノースシティで開き、「札幌中央卸売市場に輸送される農産物輸送」を対象としたパイロット事業の結果について報告を行ったほか、来年度進める予定のコンサルティング事業について説明した。
日通総研の大島弘明チーフアドバイザーがパイロット事業の結果を説明。同農産物輸送では従来、「手荷役による積込み作業」「荷役作業の順番待ち」「荷役作業の場所が狭隘」などの理由によって非効率となり、長い作業時間がかかっていたことが問題だったとし、このため、「パレットを利用したトライアル輸送」を行うとともに、「元請・実運送事業者の連携による運行計画の見直し」を進めたことを報告。
トライアル輸送では積込作業時間などが34分短縮、拘束時間は1時間12分短縮となり、ドライバーの疲労度が軽減されたことを確認した。また、運行計画の見直しでは、集配ルートの変更、積卸し箇所の削減、高速道路の利用などによって、拘束時間が平均1時間あまり短縮した。
今回のトライアル輸送の結果、「パレット輸送により荷役作業の短時間化と軽労化が達成できることが確認できた」とし、「農産物輸送では、産地から消費地まで同じパレットを利用した一貫輸送システムの導入」が望まれると報告。結果に結びついたポイントとして、「運送事業者と発荷主が改善の取り組みに積極的だったことが大きい。各工程を見直し、出荷業者側・輸送事業者側・荷受事業者側が時間削減に取り組むことで、労働時間の短縮に結びつく」とまとめた。