エア・ウォーター 戸田工業 豊富町で未利用天然ガス活用し水素サプライチェーン構築

エア・ウォーター(大阪市中央区)と戸田工業(広島市南区)は8月8日、NEDOが公募した「水素社会構築技術開発事業」に、「北海道豊富町未利用天然ガスを活用した地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築」を提案し、6月に採択されたと発表した。

同事業は、「メタン直接改質(DMR)法」によりCO2が発生しない水素を商用規模で生産する国内初の取り組み。豊富町で温泉に付随して産出される天然ガスは、メタンの含有率が95%ある不純物が少ない良質な資源である一方、その多くは未利用のままとなっていたことから、これを輸送・貯蔵が可能な水素として活用することにより、エネルギーの地産地消を推進することにつながることから、同実証を豊富町で実施することとした。

2025年度を目途に、水素と高付加価値な多層CNTを製造できる「DMR法」による水素製造システムを確立させ、水素製造コストの低減と水素サプライチェーンのクリーン化を目指すとしている。

両社は2021年よりNEDO委託事業として、天然ガスやバイオガス等の主成分であるメタン原料から高活性鉄系触媒を用いた「DMR法」により、CO2 フリー水素の製造プロセスおよびシステム開発に取り組んできた。同事業では、これまでの開発成果を元に、「DMR法」による商用規模の水素製造プラントを豊富町内に設置し、メタンを主成分とする温泉付随天然ガスから、CO2 を直接排出させることなく高純度水素の製造を行う。同時に、製造した水素を近隣の需要家へ供給し、地産地消型の水素サプライチェーンの構築を進めていく。
副生成物の炭素は、高導電性を有する多層カーボンナノチューブ(CNT)として市場展開することを目指し、用途探索と性能評価を進める。

同事業においては、「豊富町で自噴する未利用天然ガスを用いて、DMR法を用いた商用規模の水素及びCNTの製造技術の確立」「水素の貯蔵・輸送・供給システムの確立、域内の水素サプライチェーンを構築(エア・ウォーター)」「CNT粉体の高付加価値化、CNTの用途探索と顧客での性能評価(戸田工業)」といった技術課題に取り組み、システム全体で早期の社会実装化を目指す。

エア・ウォーターは、原料天然ガス前処理システムおよび水素精製装置の設計・製作、水素サプライチェーン構築を担当する。戸田工業は、原料天然ガスの最適条件の検討、触媒の設計、DMR反応炉の設計・製作、CNT粉体の高付加価値化技術の確立と用途開発を担当する。豊富町は、プラント設置場所の提供、天然ガス供給、水素普及に向けた協力、水素品質実証に協力を行い、室蘭工業大学は、国内の未利用天然ガス調査、水素普及に向けた協力助言を行う。

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