北海道開発局と北海道運輸局は2月12日、「HOKKAIDO物流フォーラム2025~北海道の持続的な物流システムの構築に向けた共創イベント」をオンラインで開催、約270人が聴講した。メディアと講演者・随行者のみ配信会場のTKP札幌駅カンファレンスセンターから参加した。
翌週から1週間にわたって開催される「北海道物流WEEK2025」のプレイベントの位置付けで、学術研究者、行政機関、物流関係団体、物流企業などによる10にも及ぶテーマで講演が行われた。物流業界の現況や関係機関の取り組み状況などを振り返るとともに、北海道の物流の更なる効率化・最適化について考え、連携を図ることが目的。
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北海道開発局開発監理部開発調整課の佐藤仁昭開発専門官が、今年度開催した4回の物流マッチングイベント「ロジスク」によって成立した中継輸送や共同配送などの事例を報告。昨年度スタートしたロジスクでのマッチング事例の正式な公表は今回が初めてで、「マリネックスと苫小牧埠頭」「MLSと北海運輸」「北海道センコーと旭川物流」「北海道ロジサービスと匿名企業2社」の4つの事例を報告。
今後、「発地・着地を詳細に分析した上での開催」「企業規模ごとやWEBを活用した開催」などニーズに応じた新しい形態で取り組みを続けていくほか、「マッチングの際に活用できる補助制度などの情報提供」も検討すると述べた。
北海道大学の峪龍一助教は、北海道〜本州間の複数の交通機関と品目を同時に考慮する「貨物配分シミュレーションモデル」の研究開発状況を報告。「物流センサスのデータを中心にシミュレーションしたが、アンケートに基づくサンプル調査のため実際の状況とは乖離がある。北海道は特に輸送の繁閑差が大きく、運賃や経路について物流ネットワーク全体を対象とした信頼できる利用可能なデータが存在しない」とし、「今後、入力データを改善し、より精緻な検討が必要。行政と事業者などが協力し、統一されたフォーマットでデータを収集することが重要だ」と強調した。
このほか、北海道商工会議所連合会の福井邦幸GX推進支援・物流対策担当部長、北海道通運業連合会の河野専任理事、北海道物流研究会 の石田将イオン北海道物流改革マネージャー、北海商科大学 の相浦宣徳教授らが専門的な取り組み事例や見識を発表した。