上士幌町(竹中貢町長)、セイノーホールディングス(田口義隆社長、大垣市)、電通(五十嵐博社長、東京都港区)、エアロネクスト(田路圭輔社長、同渋谷区)は8月11日、ドローンを含む次世代高度技術活用による「持続可能な未来のまちづくり」に向けた包括連携協定を締結した。
上士幌町役場で実施された包括連携協定調印式には、上士幌町の竹中町長、セイノーHDの河合秀治執行役員、電通の徳山日出男執行役員、エアロネクストの田路社長が出席した。
ドローンを含む次世代高度技術を活用したスマートで、サステナブルな社会を世界に先駆けて実現し、全国自治体のロールモデルとなる事を目的として包括連携協定を締結。特にドローン領域においては、同町がドローンの聖地となり、国内のドローン産業の発展に大きく寄与することも目指す。
上士幌町は、十勝管内北部に位置し、人口約5000人に対して行政面積は約700㎢を抱え、域内の移動や物流など住みやすい環境づくりと住民サービスの維持が課題になっている。
令和2年度には、農村地域に住む交通弱者の買い物や高齢者福祉バスをデマンド化し、ドライバー不足や財政負担を低減する実証実験を実施。
「生涯活躍のまち」「持続可能な未来のまちづくり」の実現に向け、移動サービスの利便性向上や交通・物流課題の解決に取り組んでいる。
今回の連携協定により、4者それぞれが有する資源を有効に活用しながら、相互に連携・協力し、町の課題や町民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用による農業・観光・産業・経済の振興、産業基盤整備、持続可能な地域交通・物流の確保と住みやすい環境づくり、地域防災への貢献および新しい社会インフラの整備などを推進する。
同協定では、物流に関しては「カーボンニュートラルと利便性が両立した持続可能な地域交通・物流の確保と住みやすい環境づくりに関すること」に取り組む。
具体的には、「次世代高度技術活用における個宅へのドローン配送実証の実施」「セイノーHDとエアロネクストが推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流SkyHubの社会実装に向けた検討」などに取り組む予定。
竹中町長は「上士幌町は、持続可能なまちづくりを掲げ、次世代高度技術の社会実装によるスマートタウンの構築を進め、ICT活用による地域住民の生活サポートや利便性の向上を目指している。この連携協定により、官民が連携し行政だけでは解決できない、物流や買い物弱者の課題を他自治体のモデルにもなれるよう、先駆的に取り組んで参りたいと考えている」とコメント。
セイノーHDの河合執行役員は「幹線輸送の強みを活かしたラストワンマイル配送領域において、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、生活困窮家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルの構築を積極的に推進・拡大している。中でも物流におけるドローンの活用については、省人化、無人化の領域で期待するテクノロジーの一つ。上士幌モデルでは『持続可能な未来のまちづくり』において、物流が担う役割やテクノロジーの実装がいかに住みやすい環境づくりと住民サービスに繋がるかを追求したい」と述べた。
また、エアロネクストの田路社長は「当社では、山梨県小菅村でドローン配送の実用化を進めており、セイノーグループと協業してドローン配送を含む新スマート物流“SkyHub”を開発している。SkyHubを社会実装した『持続可能な未来のまちづくり』の実現に向けて、上士幌町に日本で初めて本格導入していく。ドローンという新しいテクノロジーを活用した空のインフラを新たに構築し、上士幌町の皆様の生活の利便性を高めていきたい」とコメントした。